基礎知識

中小企業こそ採用マーケティングを始めよう!今日から取り組める予算別スタートガイド

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求人を出しても応募がまったく来ない」
「大手企業と同じ土俵で戦っても勝てる気がしない」

このような悩みをお持ちの中小企業の採用担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。

中小企業庁が公表する調査でも、中小企業の人材不足感は高止まりの状況が続いています。また、企業規模が大きくなるほど、人材不足を強く感じている傾向も示されています。そして採用にかけるコストも増加傾向にあり、限られた予算でどう成果を出すかが大きな課題になっています。

出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書 第1部第3節 雇用環境・労働移動(2025年)」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b1_1_3.html

このような状況下で採用を獲得するには、採用マーケティングによる戦略立てが欠かせません。

この記事では、中小企業が採用マーケティング(求職者に自社の魅力を戦略的に届け、応募につなげる一連の活動)をどのように始めればよいかを、予算規模別に分かりやすく解説します。中小企業の採用担当者の方は、ぜひ参考にしていただきたい内容です。

「何から手をつければいいかわからない」「自社に合った施策を整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

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※本記事に記載されている料金、補助金、制度などの情報は、2026年8月時点のものです。最新の情報については各サービスの公式サイトや関係機関にご確認ください。

大手と同じやり方では勝てない理由

大手企業は知名度や採用予算の規模で優位に立っています。同じ求人媒体に同じような文言で掲載しても、候補者の目に留まるのは大手企業の求人が先になりがちです。

中小企業が採用マーケティングに取り組む意味は、大手と同じ土俵で戦うことではありません自社ならではの強みを見つけ、届けたい相手に届けたい方法で情報を発信することです。

中小企業庁の資料でも、人材戦略や採用活動への投資を進める企業が増えていることが示されています。規模の小ささを理由に、採用活動を後回しにする時代ではなくなってきています。

出典:中小企業庁「2025年版中小企業白書 第2部第1章第4節 人材戦略(2025年)」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/b2_1_4.html

採用マーケティングの基本的な考え方については、採用マーケティングとは?中小企業が知るべき基本概念と始め方の記事でも詳しく解説しています。

採用マーケティングを始める前に整理すべきこと

自社の魅力・強みの棚卸し

予算配分を考える前に、まず自社の魅力を整理しておく必要があります。給与や福利厚生だけでなく、働き方の柔軟さや職場の雰囲気、成長機会など、候補者にとって魅力になりうる要素は意外と多いものです。

担当者だけで考えるのではなく、実際に働く社員にヒアリングすることをおすすめします。「入社の決め手になったこと」「働いていて良かったと感じる瞬間」を聞くと、担当者が気づいていなかった魅力が見つかることがあります。

採用したい人物像(ペルソナ)の明確化

魅力の棚卸しと並行して、どのような人材に応募してほしいのかを具体化します。年齢層や経験年数だけでなく、どのような価値観を持つ人が自社にフィットするのかまで踏み込んで考えることが重要です。

ペルソナが曖昧なまま求人媒体を選んでしまうと、媒体選定そのものがずれてしまい、応募が集まらない原因になります。ペルソナ設計の具体的な手順については、採用におけるペルソナ設計の重要性と方法の記事で詳しく解説しています。

予算計画とKPI(CPA)をあらかじめ決める

ここが最も見落とされがちなポイントです。採用マーケティングを始める際、施策を決める前に予算計画とKPI(重要業績評価指標)を先に決めておく必要があります。

特に意識したいのが、CPA(1人採用するためにかかったコスト)です。あらかじめ「1人採用するのにいくらまでかけられるか」を決めておきます。実際にかかったコストと照らし合わせながら、施策が目標に届いているかどうかを見極める姿勢が欠かせません。

目標に届いていない施策があれば、早めに見直しや改善を行う。この効果検証のサイクルを最初から予算計画に組み込んでおくことで、後から「なぜこの施策に予算を使ったのか」が分からなくなる事態を防げます。

採用マーケティングを始める前の4ステップを示すフロー図

KPIの具体的な設定例は、採用活動に役立つKPI設定の具体例の記事も参考にしてください。

予算別スタートガイド

ここからは、実際にどのくらいの予算があれば何ができるのかを、金額の目安別に見ていきます。あくまで目安であり、自社の状況に応じて調整してください。

予算10万円台でできること

10万円台の予算感では、まず求人情報そのものの見直しから着手するのがおすすめです。求人票の内容が候補者に響くものになっていなければ、どれだけ広告費をかけても応募にはつながりません。

具体的には、求人票のブラッシュアップと合わせて、求人サイトへの広告出稿費用に充てる進め方が現実的です。Indeedのスポンサー求人(クリック課金型の有料オプション)であれば、月10万円前後から運用を試すことができます。

求人票を改善しないまま広告費だけ増やしても、クリックはされても応募にはつながりません。順番を間違えないことが重要です。

求人票の書き方や、Indeedでの運用のコツについては、Indeedで応募を増やす方法の記事も参考にしてください。

予算30万円台でできること

30万円台になると、オウンドメディア(自社で保有するホームページや採用サイト)の整備に予算を回せるようになります。この価格帯で目指すのは、一般的な水準のクオリティを備えた採用サイトです。

会社紹介・仕事内容・募集要項・応募までの導線が一通り整っていれば、候補者が自社を調べたときに安心感を持ってもらえます。

求人媒体経由で流入した候補者が、応募前に自社サイトを確認するケースは多く、ここで情報が薄いと離脱の原因になります。求人媒体への広告費と、オウンドメディア整備の費用を組み合わせて配分するのがこの価格帯の基本的な考え方です。

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予算50万円台でできること

50万円台の予算感になると、選択肢が一気に広がります。この段階では、採用サイトやホームページをよりリッチな作りにすることができます。求人サイトのチャンネル(掲載媒体)を複数に増やす展開も可能です。

この段階でSNS運用を強化したいという相談も増えますが、社内に運用リソースがない場合は、SNS運用代行への予算配分を検討する選択肢もあります。

すべて自社で内製しようとすると、中途半端になりがちです。外部に任せる部分と内製する部分を切り分けたほうが、結果的に成果につながりやすいことが多いです。

予算10万・30万・50万円台でできる採用施策の比較図

母集団形成(応募候補者の集団をつくる活動)の視点から見た媒体選びについては、採用マーケティングで成果を上げる5つのポイントの記事もあわせてご覧ください。

ROIの高い施策から始めるための優先順位の付け方

一点集中のリスクとチャネル分散のバランス

予算が限られている中小企業ほど、1つの求人媒体に予算を全額投じてしまいたくなる気持ちは理解できます。しかし、1つのチャネルに集中させることにはリスクが伴います。その媒体で思うように応募が集まらなかった場合、代わりの手段がなく、採用活動全体が止まってしまうためです。

だからといって、闇雲にチャネルを増やせばよいわけでもありません。求人媒体を増やしすぎると、それぞれの媒体にかけられる予算が薄まり、どの媒体も中途半端な結果に終わってしまいます。管理する手間も増え、担当者の負担がかえって大きくなることもあります。

限られたリソースの中で、どのチャネルにどれだけ配分するかを見極めることが、採用マーケティングの実践では必要不可欠です。

効果検証の簡単な仕組みづくり

チャネルを分散させる場合は、それぞれの成果を比較できる仕組みが必要です。

難しいツールを導入する必要はありません。応募数・面接設定数・採用単価をシンプルな表にまとめ、媒体ごとに月次で振り返るだけでも十分な効果検証になります。

この振り返りをもとに、成果の出ていない媒体への予算を減らし、成果の出ている媒体に予算を寄せていく。この繰り返しが、限られた予算でROI(投資対効果)を高めていくための基本的な進め方です。

施策の即効性と積み上げ効果から優先順位を考える図

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中小企業がやりがちな失敗パターン

失敗パターン1:欲張って同時並行しすぎて中途半端になるケース

予算別スタートガイドというテーマ上、特に注意したいのがこの失敗パターンです。求人広告もオウンドメディアもSNSも、全部やったほうが良いはずだと考え、限られた予算をいくつもの施策に同時並行で振り分けてしまうケースがよく見られます。

結果として、1つ1つの施策にかけられる予算が薄まり、どれも中途半端な仕上がりになってしまいます。求人広告は表示順位が低く目に留まらない、採用サイトは情報量が足りず離脱される、といった状態に陥りやすいのがこのパターンです。

この失敗を避けるには、施策の優先順位を決めて段階的にアプローチする姿勢が重要です。まずは1つか2つの施策に集中して予算を投じ、成果が見えてきた段階で次の施策に予算を広げていく。焦らず段階を踏むことが、結果的に近道になります。

失敗パターン2:採用サイトを作って満足し更新が止まるケース

採用サイトを作ることをゴールにしてしまい、公開後に情報が更新されないまま放置されてしまうケースも少なくありません。募集要項が古いままだったり、社員の声が数年前のものだったりすると、候補者に不信感を与えてしまいます。

採用サイトは作って終わりではなく、継続的に情報を更新していくコンテンツです。運用の手が回らない場合は、更新頻度を最初から現実的なペースに設定しておくことをおすすめします。

予算分散の失敗例と段階的な進め方を対比した図

WEBマーケティングの全体像を整理した記事WEBマーケティングを採用活動に活かす方法の記事もあわせて参考にしてください。

よくある質問・トラブル解決

engageやIndeedの連携が終了したと聞いたが影響はありますか

engage(エン・ジャパンが提供する無料の求人作成・採用管理ツール)は、以前はIndeedやエン転職への自動連携が特徴の1つでした。しかし、2026年6月11日にengageとIndeedの自動連携が終了しています。

さらに、2026年6月30日からエン転職への掲載が制限され始め、2026年9月30日をもってエン転職への掲載は完全に終了する予定です。「engageに求人を出せばIndeedやエン転職にも自動で載る」という説明は、現時点では誤りになるため注意してください。

現時点で無料連携が継続しているのは、Googleしごと検索・求人ボックス・スタンバイなどです。engageを使う場合は、この最新の連携先を前提に運用を組み立てる必要があります。

engageの使い方については、engage(エンゲージ)の使い方完全ガイドの記事で最新の手順を確認してください。

無料の求人媒体は本当に効果がありますか

無料の求人媒体そのものに効果がないわけではありませんが、無料掲載のままだと検索結果での表示順位が低くなりやすく、候補者の目に留まりにくいという傾向があります。

まずは求人票の情報量を充実させたうえで、少額からでもクリック課金型の有料オプションを試してみることをおすすめします。予算をかけずに様子を見る期間と、少額でも広告費を投じてみる期間を分けて考えると、判断しやすくなります。

予算はどのタイミングで見直すべきですか

目安としては、施策を開始してから1か月から2か月経過したタイミングで、一度振り返りを行うのがおすすめです。応募数・面接設定数・採用単価がKPIとして設定した目標に届いているかを確認し、届いていない施策があれば予算配分を見直します。

採用は季節要因や求人倍率の変化にも影響を受けるため、一度決めた予算計画を変えないのではなく、定期的に見直すことを前提にしておくと運用がしやすくなります。

まとめ

中小企業が採用マーケティングを始める際のポイントを整理します。

  • 大手企業と同じやり方ではなく、自社の魅力を整理したうえで予算規模に合った施策を選ぶ
  • 施策を決める前に、予算計画とKPI(CPA)をあらかじめ決めておく
  • 予算10万円台は求人票のブラッシュアップと広告出稿、30万円台は標準的な採用サイト整備、50万円台はサイトのリッチ化と複数チャネル展開が目安になる
  • 1つのチャネルに集中しすぎるリスクと、分散しすぎて中途半端になるリスクの両方に注意する
  • engageなど媒体の仕様は変化するため、最新の連携状況を確認したうえで運用する

まず最初にやることとして、いま自社が投じられる予算規模を明確にし、その金額でできる施策を1つか2つに絞って優先順位を決めることから始めてください。欲張って同時並行に手を広げるよりも、段階的に取り組むほうが、結果的に着実な成果につながります。

「採用マーケティングをもっと体系的に学びたい」「自社の採用課題を一緒に整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

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いぬのて田村
この記事の監修者

いぬのて田村

採用課題をWEBマーケティングで解決するいぬのて代表。
動物全般が好き。
常に挑戦することを楽しんでいます🐶