採用コスト削減の具体策10選|採用単価を下げる方法を中小企業向けに解説
「求人広告や人材紹介にコストがかかりすぎて、採用単価が高止まりしている」
「採用費を減らしたいけれど、どこを削ればいいのか分からない」
このような悩みをお持ちの採用担当者や経営者も多いのではないでしょうか。
採用コストは総額だけでなく、1人あたりの採用単価で見ると、削るべき費用と残すべき費用が見えてきます。
この記事では、採用単価の出し方と、採用コストを削減する具体策10選を中小企業の採用担当者向けに分かりやすく解説します。無料で使える求人手段や公的な支援、削りすぎて失敗しないための注意点もまとめました。
「採用費を見直したいが何から手をつければいいか分からない」「費用を抑えながら採用数も確保したい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

※本記事に記載されている料金、補助金、制度などの情報は、2026年10月時点のものです。最新の情報については各サービスの公式サイトや関係機関にご確認ください。
採用コスト削減の第一歩は採用単価を出すこと
採用コストを減らそうとすると、まず広告費の請求書に目が向きがちです。ただ、金額の大きさだけで削る費用を決めると、かえって採用がうまくいかなくなることがあります。まず最初に、自社の採用単価を出してみましょう。
採用単価の計算式
採用単価とは、1人を採用するためにかかった費用のことです。計算式は「採用コストの総額÷採用人数」で、1年分など期間を区切って出します。
たとえば社外に払った費用が300万円、社内でかかった費用が60万円で、採用人数が4人だったとします。この場合、(300万円+60万円)÷4人で、採用単価は90万円です。

外部コストと内部コストの中身
採用コストは、社外に払う外部コストと、社内でかかる内部コストに分けて考えます。主な中身は次のとおりです。
中小企業で特に見落とされやすいのが、面接官の時間です。たとえば面接1回に面接官2人が1時間ずつ出ると、20人の面接で40時間になります。社長や現場の責任者が面接に出ている会社ほど、この時間は重くなります。
内部コストは請求書に出てこないため、記録しないと見えません。面接の回数と出席した人数だけでも、毎月メモしておきましょう。
採用人数が変わると採用単価も大きく変わる
採用単価は、費用だけでなく採用人数によっても大きく動きます。中途採用を行った企業の人事担当者1,500名への調査では、2025年の平均採用人数は12.3人でした。2024年の20.8人から大きく減っています。
同じ調査で、平均採用目標人数は28.7人から16.7人に下がりました。一方で、目標の達成率は65.2%から92.9%に上がっています。
出典:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)(2026年)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260327_109053/
採用人数が減れば、同じ費用をかけても1人あたりの単価は上がります。費用の総額と採用人数は、必ずセットで見るようにしましょう。
採用単価とあわせて追いたい指標は、こちらの記事で紹介しています。
採用コストを削る前に知っておきたいこと
採用単価を出したら、すぐに費用を削りたくなるかもしれません。その前に、削り方を誤ると単価がかえって上がる仕組みを押さえておきましょう。
費用だけ削ると採用単価が上がることもある
先ほどの例で、外部コストを300万円から180万円に減らしたとします。総額は360万円から240万円に下がります。
ところが広告を減らしたことで応募が減り、採用人数が4人から2人になったとします。このときの採用単価は120万円です。費用を削ったのに、1人あたりの単価は90万円より上がってしまいます。

もう1つ気をつけたいのが、社内の人手です。費用を削ることばかりに目が行くと、外に任せていた作業が社内の担当者に集中します。その結果、本来の仕事が回らなくなり、会社全体の生産性が落ちるおそれがあります。
削った外部コストが、見えない内部コストに置き換わっただけ、という状態は避けたいところです。費用を減らすときは、その作業を誰がどれだけの時間で担うのかもあわせて決めましょう。
自社はどこから削るかを決める
どこから手をつけるかは、採用コストの内訳で一番大きい費用によって変わります。次の流れで、後ほど紹介する10の具体策のうち、どれから試すかを決めましょう。

人材紹介の手数料が一番大きい会社は、紹介に頼る職種を減らすことから始めます。具体策5・6・7で、紹介以外の応募の入口を増やしましょう。
求人広告費が一番大きい会社は、広告の使い方を見直します。具体策2・3・4で、無料の手段を使い切り、同じ費用で集まる応募を増やしましょう。
内部コストが一番大きい会社は、社内の時間の使い方に目を向けます。具体策1で時間を記録し、具体策9で選考の手間を減らしましょう。内定辞退や早期離職が多い場合は、どの会社も具体策9・10を優先してください。
採用コスト削減の具体策10選
ここからは、中小企業が取り組みやすい採用コストの削減策を10個紹介します。すべてを一度に進める必要はありません。前の章で選んだ番号から、1つずつ試してみてください。
1. 費用の内訳と媒体別の成果を毎月記録する
削減の土台になるのが、記録です。媒体や手段ごとに、費用・応募数・面接数・採用数を毎月1行ずつ書き残しましょう。表計算ソフトで十分です。
記録がそろうと、応募単価(応募1件あたりの費用)や採用単価を媒体ごとに比べられます。応募はあるのに採用につながらない媒体や、費用のわりに応募が少ない媒体が見えてきます。
あわせて、面接の回数と出席した人数も記録しておくと、内部コストのおおよその大きさがつかめます。
2. 無料で使える求人手段を先に使い切る
有料の広告を増やす前に、無料で使える手段を使い切りましょう。代表的なのが、Indeed(インディード)とengage(エンゲージ)です。
無料掲載だけで応募が集まることもありますが、どの会社でも同じようにいくとは限りません。例えば同じ職種・地域で競合の求人が多いと、無料掲載はスムーズにいきにくくなります。工夫せずに載せるだけでは、ほかの求人に埋もれてしまいます。
競合より目に留まるには、求人情報を整え、無料の範囲で使える機能をできるだけ使うことです。仕事内容や1日の流れ、職場の写真や会社の紹介欄など、入力できる項目は空けずに埋めましょう。
Indeedの企業ページを無料で整える方法は、こちらの記事で解説しています。
Indeed企業ページの作り方完全ガイド|無料で採用力を高める設定方法
engageで求人を出す手順は、こちらの記事が参考になります。
engage(エンゲージ)の使い方完全ガイド|無料で求人掲載する方法
3. 有料広告は予算の上限と止める基準を先に決める
無料掲載で足りないときは、有料広告を使う選択肢があります。ここで大切なのは、始める前に予算の上限と止める基準を決めておくことです。
Indeedのスポンサー求人は、求人がクリックされたときに費用がかかるクリック課金です。予算と終了日を設定できるので、上限を決めてから始めましょう。
止める基準は、「2週間で応募が1件もなければ、求人票を直してから再開する」のように具体的に決めておきます。効果が見えないまま出し続けると、広告費は膨らむ一方です。
スポンサー求人の予算の考え方は、こちらの記事で紹介しています。
Indeedスポンサー求人の活用法|企業ページと併用する予算の使い方
4. 求人票を見直して同じ費用で応募を増やす
採用単価を下げる方法は、費用を減らすことだけではありません。同じ費用で応募と採用を増やせば、単価は下がります。その近道が求人票の見直しです。
見直すときは、検索されやすい職種名になっているか、仕事内容が具体的に書かれているかを確認しましょう。給与や勤務時間などの条件があいまいな求人は、応募をためらわれやすくなります。
応募が増える求人票の書き方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
求人票の書き方完全ガイド|応募が増える10のポイントとNG表現
5. 採用ページを育てて自然に集まる応募を増やす
採用単価を下げるうえで、現場で特に大切だと感じるのがオーガニックな流入を増やすことです。オーガニックな流入とは、広告枠を買わずに、検索や媒体の通常の表示から自然に集まる応募のことです。
その受け皿になるのが、自社の採用ページです。仕事内容や働く人の様子が分かるページがあれば、求人を見た人が会社を調べたときに応募の後押しになります。
広告は止めれば効果も止まりますが、採用ページは一度作れば使い続けられる資産です。少しずつ情報を足して育てていきましょう。
応募が集まる採用ページの作り方は、こちらの記事が参考になります。
採用サイトの作り方完全ガイド|応募が集まる5つの要素を解説
6. 人材紹介は使う職種と条件を絞る
人材紹介は、採用が決まったときに手数料を払う仕組みです。手数料は入社する人の年収をもとに決まるのが一般的で、1人あたりの費用が大きくなりやすい手段です。
すべての職種を紹介に頼るのではなく、自社だけでは採りにくい職種に絞って使いましょう。それ以外の職種は、紹介以外の入口から応募を集めます。
人材紹介の手数料の相場や交渉のポイントは、こちらの記事で解説しています。
人材紹介の手数料相場は年収の何%?|適正な料率と交渉のポイント
採用が決まったときに費用を払う採用支援には、人材紹介以外の形もあります。仕組みと選び方は、こちらの記事をご覧ください。
7. ダイレクトリクルーティング(スカウト)を一部に取り入れる
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者のデータベースから候補者を探し、スカウトを送って直接アプローチする方法です。紹介会社を通さないため、紹介に頼っていた職種の一部を置き換える手段になります。
一方で、送る相手の選定やスカウト文の作成、返信対応には社内の時間がかかります。最初は1つの職種に絞り、返信率と採用までにかかった時間を記録しながら始めましょう。
スカウトに使える媒体の特徴は、こちらの記事で比較しています。
ダイレクトリクルーティングのスカウト媒体10選|特徴と選び方を比較
「スカウトを始めたいが送る相手の選定や文面づくりに手が回らない」「返信対応や日程調整まで任せたい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

8. リファラル採用は時間をかけて仕組みを整える
リファラル採用とは、社員に知人や友人を紹介してもらう採用方法です。広告費や紹介手数料をかけずに採用できる可能性があり、採用単価を下げる手段の1つになります。
ただし、短期間で今の手段から切り替えられるものではありません。紹介の流れや報奨金のルールを決め、社員に知ってもらうまでには時間がかかります。今の採用手段は続けながら、並行して準備を進めましょう。
社員紹介を仕組み化するツールは、こちらの記事で比較しています。
リファラル採用ツールおすすめ5選|社員紹介を促すツールを比較
9. 選考を短くして辞退と面接官の負担を減らす
選考が長引くと、候補者が他社に決めて辞退する可能性が高まります。せっかく費用をかけて集めた応募者を逃すと、そのぶん採用単価は上がります。
面接の回数を見直したり、日程調整を早めたりすると、辞退を防ぎやすくなるうえに面接官の時間も減ります。外部コストと内部コストの両方に効く施策です。
選考を短くする具体的な方法は、こちらの記事で紹介しています。
採用プロセスを短縮する方法|優秀な人材を逃さないテクニック
10. 早期離職を防いで採り直しの費用を出さない
入社した人がすぐに辞めてしまうと、もう一度同じ費用をかけて採り直すことになります。早期離職を防ぐことは、目に見えにくいものの効果の大きいコスト削減です。
求人票や面接で仕事の大変な面も正直に伝え、入社後のギャップを小さくしましょう。入社前後のフォローもあわせて整えておくと安心です。
早期離職の原因と対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
早期離職を防ぐには?|原因と入社前から打てる対策を解説
「10の施策のうち自社に合うものを選べない」「費用を抑えながら応募が集まる仕組みを作りたい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

中小企業が使える公的な支援
採用コストの削減には、国の制度を使う方法もあります。ここでは、採用に関わる助成金の1つと、ハローワークの活用を紹介します。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、ハローワーク等の紹介で人を雇い入れる事業主向けの助成金です。約3か月の試行雇用を行った事業主に支給されます。
支給額は、対象者1人につき月額4万円です。母子家庭の母等や父子家庭の父の場合は月額5万円で、雇い入れの日から最長3か月支給されます。出勤した日数の割合が低いと、支給額は減ります。
出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)(2026年10月時点)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
注意したいのは、誰を採用しても使える助成金ではない点です。対象者は、ハローワーク等に登録して週30時間以上の常用雇用を希望している人のうち、次のような事情がある人に限られます。
このほかにも対象になる条件があり、要件や手続きは見直されることがあります。使えそうなときは、求人を出す前に管轄のハローワークや労働局で確認しましょう。
採用で使えるほかの助成金は、こちらの記事でまとめています。
採用で使える助成金5選|申請前に確認したい要件と注意点
ハローワークの活用
トライアル雇用助成金のように、ハローワーク等の紹介が前提になっている制度もあります。こうした制度を使う可能性があるなら、ハローワークにも求人を出しておくと選択肢が広がります。
求人の申し込み方法や利用の条件は、最寄りのハローワークで確認してください。応募が集まりやすい求人票の書き方は、こちらの記事で紹介しています。
ハローワーク求人票の書き方|応募が増える記入のコツと注意点
採用コスト削減で失敗しないための注意点
採用コストの削減は、進め方を誤ると採用そのものが止まってしまいます。よくあるつまずきを2つ紹介します。
「無料で掲載できる」という勧誘は契約前に確認する
費用を抑えたい時期ほど、「無料で求人広告を掲載できます」という電話の勧誘には注意が必要です。無料期間が終わると自動で有料に切り替わり、高額な広告料金を請求されるケースがあるためです。各地の労働局も、こうした勧誘への注意を呼びかけています。
申し込む前に、少なくとも次の4点を書面で確認しましょう。
その場で返事をせず、社内で確認してから判断するのが安全です。電話で急かされたときほど、一度保留にしましょう。
社内の人手に負担を寄せすぎない
外部に払う費用を減らすと、その分の作業は社内の誰かが担うことになります。採用担当者が他の業務と兼任している中小企業では、負担が一部の人に集中しがちです。
削減は、社内で回せる量を確かめながら少しずつ進めましょう。応募者への連絡の速さや面接の丁寧さなど、候補者の印象に直結する部分は削らないことが大切です。
社内で回らない作業は、外部に任せる費用と比べて判断する方法もあります。採用代行(RPO)の費用の目安は、こちらの記事で整理しています。
採用代行(RPO)の費用相場はいくら?|3つの料金体系と見積もりの出し方
採用の進め方そのものを専門家に相談する場合の費用は、こちらの記事が参考になります。
採用コンサルの費用相場はどのくらい?プロジェクト型・顧問型・成果報酬型の違い
まとめ
採用コストの削減は、費用の総額ではなく採用単価で考えると、削るべき所と残すべき所が見えてきます。この記事の要点を整理します。
まず最初にやることは、直近1年の採用費用を外部コストと内部コストに分けて書き出し、自社の採用単価を出すことです。数字が出れば、どこから手をつけるべきかが自然と見えてきます。
「採用マーケティングをもっと体系的に学びたい」「自社の採用課題を一緒に整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

いぬのて田村
採用課題をWEBマーケティングで解決するいぬのて代表。
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