採用代行(RPO)の比較と選び方|業務範囲で見極める4タイプの依頼先
「採用代行を検討しているけれど、どこまで任せればいいのか分からない」
「何社か見積もりを取ったものの、内容がばらばらで比べられない」
このような悩みをお持ちの採用担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。
採用代行は、任せる業務の範囲を先に決めると、自社に合う依頼先がぐっと絞りやすくなります。
この記事では、採用代行(RPO)で任せられる業務と自社に残す判断、依頼先の4タイプと主要サービスの比較を解説します。見積もりを比べる前にそろえたい条件まで、中小企業の採用担当者向けに分かりやすくまとめました。
「どこまで任せればいいか決めきれない」「自社に合う依頼先を一緒に整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

※本記事に記載されている料金、補助金、制度などの情報は、2026年10月時点のものです。最新の情報については各サービスの公式サイトや関係機関にご確認ください。
採用代行(RPO)とは?任せられる業務と自社に残す判断
依頼先を比べる前に、採用代行で何を任せられるのかを整理しておきましょう。任せられる作業と、自社に残す判断の線引きが、選び方の土台になります。
採用代行(RPO)の意味と、人材紹介・派遣との違い
採用代行とは、採用業務の一部または全部を外部の専門事業者に任せるサービスです。RPO(Recruitment Process Outsourcing=採用プロセスの外部委託)とも呼ばれます。
人材紹介は、紹介会社が候補者を探して企業に引き合わせる仕組みです。人材派遣は、派遣会社が雇用する人に自社で働いてもらう仕組みです。
採用代行はどちらとも違い、業務委託契約(仕事の遂行を外部に頼む契約)で採用の作業を任せます。候補者を連れてくるのではなく、自社の採用活動を一緒に回す存在だと考えると分かりやすいでしょう。
採用代行が注目される背景には、採用環境の厳しさがあります。リクルートワークス研究所の調査では、2027年卒の大卒求人倍率は1.62倍でした。前年の1.66倍からやや下がったものの、就職を希望する学生1人あたり1.6件ほどの求人がある状態が続いています。
出典:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2027年卒)(2026年)」
https://www.works-i.com/surveys/report/260423_recruitment_saiyo_ratio.html
少ない人数で採用を担う中小企業ほど、スカウトや日程調整などの作業に追われがちです。その作業を外に出し、社内の時間を判断や面接に回すのが採用代行の役割です。
委託できる5つのフェーズ
採用代行で任せられる業務は、採用の流れに沿って5つのフェーズに分けられます。どのフェーズにどんな作業があるかを、まず押さえておきましょう。
母集団形成(応募してくれそうな候補者の集団をつくること)は、作業量が多く外部に任せやすい領域です。一方で計画立案は、自社の事業や組織の事情を深く知る必要があります。外部と一緒に考える形が向いているでしょう。
自社に残す判断は「選考基準・合否・条件・最終決定」
採用代行に任せられるのは、あくまで作業です。合否判定や給与などのオファー条件、採用の最終決定は自社が行うのが基本です。
見落とされやすいのが、選考の基準です。どんな人を通過させて、どんな人を見送るのか。この基準を事前にすり合わせておかないと、代行側は判断のよりどころを持てません。
基準があいまいなまま書類選考や一次対応を任せると、自社に合う人を見逃したり、合わない人ばかりが面接に来たりします。任せる前に「通過の条件」を言葉にしておくことが、成果を左右します。

業務範囲別に見る採用代行の4タイプと向いている企業
採用代行の依頼先は、得意な業務範囲によって4つのタイプに分けられます。実務代行型・総合支援型・コンサル型・領域特化型の4つです。任せたい業務から逆算して、どのタイプを探すかを決めましょう。
母集団形成を任せたい場合(スカウト配信・求人媒体の運用)
応募が集まらないことが一番の悩みなら、母集団形成に強い依頼先が候補になります。求人原稿の作成や媒体の運用、スカウトの配信などを任せるイメージです。
この範囲は、決まった作業を手を動かして代行する実務代行型が得意とする領域です。業務の範囲がはっきりしているため、料金も比べやすいのが特徴です。
スカウトの運用だけを切り出して任せる方法は、こちらの記事で詳しく比較しています。
スカウト代行サービスの比較|外部委託の進め方と内製化のポイント
選考の実務を任せたい場合(日程調整・応募者対応・面接代行)
応募はあるのに、連絡や日程調整が追いつかない。そんな会社は、選考の実務を任せると効果が出やすくなります。応募者への一次連絡、面接の日程調整、合否連絡の送付などが代表的な作業です。
返信が遅れると、候補者は他社の選考へ進んでしまうことがあります。対応の速さを外部の手で保てる点は、採用代行の大きな利点です。
面接そのものを任せられるサービスもあります。ただし面接を任せる場合も、合否の判断は自社に残しましょう。
内定者フォロー・入社準備を任せたい場合
内定から入社までの間は、内定者との連絡や書類の案内など、細かな作業が続きます。新卒採用のように内定から入社までの期間が長い場合は、この間の連絡を任せられると負担が減ります。
ただし内定者にとって、入社前に会社の人と話せる機会は安心材料の1つになります。連絡の段取りは任せても、社員との面談の場は自社で設けると安心です。
戦略から相談したい場合(総合支援型・コンサル型)
「そもそも何から手をつければいいか分からない」という段階なら、総合支援型やコンサル型が向いています。総合支援型は、計画立案から実務まで幅広く引き受けるタイプです。コンサル型は、採用戦略や仕組みづくりの助言が中心になります。
採用コンサルティング会社の違いと選び方は、こちらの記事で解説しています。
採用コンサルティング会社の比較と選び方|3タイプの違いと5つの確認ポイント
新卒や専門職に絞って任せたい場合(領域特化型)
新卒採用やエンジニア採用など、特定の領域に絞ったサービスもあります。これが領域特化型です。時期が決まっている新卒採用や、専門知識が要る職種の採用では、その領域に詳しい依頼先が力を発揮します。
業務範囲×依頼先タイプの比較表
4つのタイプの違いを表にまとめました。自社が任せたい業務の行を見ながら、探すタイプの見当をつけてみてください。
| タイプ | 得意な業務範囲 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 実務代行型 | スカウト配信・求人媒体の運用・日程調整・応募者対応など決まった作業 | 採用の方針は決まっていて、作業の手が足りない企業 | 方針や選考基準があいまいだと、作業量だけが増えやすい |
| 総合支援型 | 計画立案から母集団形成・選考・内定者フォローまで幅広く | 採用担当者が少なく、まとまった範囲を任せたい企業 | 範囲が広いほど費用が上がり、社内にノウハウが残りにくい |
| コンサル型 | 採用戦略・人物像の設計・仕組みづくりの助言 | 何から手をつけるか整理したい企業 | 実務は自社か別の依頼先が担うことが多い |
| 領域特化型 | 新卒採用やエンジニア採用など特定の領域 | 採りたい職種や時期がはっきりしている企業 | 領域の外の採用には対応していない場合がある |
採用代行の依頼先タイプの見極め方と、範囲が決まらないときの進め方
表を見ても決めきれないときは、3つの問いで絞り込んでみましょう。社内の体制と相談したい中身によって、探すタイプが変わります。

最初に方針を問うのは、方針が決まらないまま実務を任せても成果が出にくいからです。人物像や選考基準が固まっていれば、残りは「誰が手を動かすか」の問題になります。
社内に実務を回す人がいるなら、足りない作業だけを切り出す実務代行型が無駄のない選択です。担当者が兼務で手が回らないなら、まとまった範囲を任せられる総合支援型を検討しましょう。
ノウハウを社内に残したい会社は、スポット支援や内製から
採用代行は、どの会社にも向くわけではありません。採用のノウハウを社内にためて、自分たちでしっかり運営したい会社もあるはずです。
そうした会社には、必要な場面だけ専門家を頼るスポット支援が向いています。時間がかかっても、最初から社内で取り組むのも1つの選択です。外部に任せきりにすると、契約が終わったときに社内に何も残らないことがあるためです。
範囲が決まらないなら「優先施策」から始める
相談の場では、何を任せるかが決まっていない段階で声がかかることもあります。現場では、まず採用全体の戦略を広く見渡したうえで、優先する施策を絞り込むことを勧めています。
たとえば求人票の内容を整理し直す、応募を集める媒体やチャネルを広げるといった施策です。全部を一度に任せるのではなく、効果が大きそうな施策に集中して取り組みます。
優先施策が決まれば、任せる業務も自然に決まります。範囲が絞られている分、費用もかさみにくくなります。
とはいえ、自社だけで優先順位をつけるのは難しいものです。
「自社がどこまで任せればいいか判断できない」「優先して取り組む施策を一緒に決めてほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

採用代行サービスの比較表|料金と対応業務
ここからは、実在する採用代行サービスを比べていきます。公式サイトに掲載されている料金と対応業務をもとに、代表的な5つのサービスをまとめました。
採善策は、bサーチが運営する採用代行サービスです。ネオキャリアとマイナビは、新卒・中途などの採用区分ごとにサービスを用意している大手です。
主要5サービスの比較表
| サービス名 | 主な対応業務 | 料金(公式の表示) | 料金の買い方・注意点 |
|---|---|---|---|
| CASTER BIZ recruiting | 戦略プランニング・ダイレクトリクルーティング・求人媒体の運用・エージェント対応・応募者対応・採用広報 | 初期費用0円。MINIMUMは月額250,000円(税込275,000円)で稼働40時間/月。STANDARDは月額400,000円(税込440,000円)で稼働70時間/月。CUSTOMは個別に提案 | 稼働時間の枠で買う型。入社までの労務事務はオプション |
| まるごと人事 | 設計は要件定義・ペルソナ設計・募集文やスカウト文の作成・媒体選定。実行は書類選考・スカウト送付・日程調整・エージェント管理・問い合わせ対応。改善は定例での数値分析と改善提案 | まるごと人事ライトは月額300,000円(税別)、初期費用100,000円(税別)。通常版は見積もり制。成功報酬なし | 月額固定の型。媒体やエージェントとの契約費用は含まれない。採用広報と採用ピッチの制作は月額の対象外 |
| 採善策 | 求人媒体の運用・スカウト支援・応募者対応・採用広報 | 媒体運用とスカウト支援で月額29,800円〜。応募者対応を加えると月額268,000円〜、採用広報まで加えると月額498,000円〜(いずれも税別) | 業務を積み上げる型。求人媒体の掲載費・利用料は別途 |
| ネオキャリア(採用代行サービス) | 採用戦略の立案から実務代行まで。スカウト配信代行・就職サイトの運用・日程調整・応募者管理・合否通知・入社書類・内定者フォロー。新卒・中途・アルバイトに対応 | 要問い合わせ | 部分支援から一括代行まで、範囲に合わせて見積もる型 |
| マイナビ(採用アウトソーシングサービス) | 新卒向けはデータベース操作の代行・応募者からの問い合わせ対応・説明会や面接の代行。中途向けは計画立案から面接代行まで | 要問い合わせ | 新卒・中途の区分ごとに、範囲に合わせて見積もる型 |
※料金は2026年10月時点の各社公式サイトの表示です。税込・税別の表記は各社の表示に合わせています。
表の読み方|「何で買うか」の違いを見る
同じ採用代行でも、料金の買い方はサービスによって違います。金額だけを横に並べても、正しくは比べられません。
入口の価格が安く見えても、応募者対応まで任せると金額は大きく変わります。表の金額は、必ず「どこまで含むか」とセットで読んでください。
採用代行の見積もりを比べる前に、そろえておきたい5つの条件
複数社から見積もりを取ると、書式も範囲もばらばらで比べにくいものです。次の5つの条件をそろえてから依頼すると、同じものさしで比べられます。
- 委託範囲:どのフェーズのどの作業を任せるか。スカウトなら配信だけか、返信対応まで含むか
- 媒体費・エージェント費の扱い:求人媒体の掲載費や人材紹介の手数料が、料金に含まれるか別か
- オプション:入社手続きの事務や採用広報など、追加料金になる作業は何か
- 稼働時間や作業量の上限:月に何時間、何通、何人分までを引き受けてもらえるか
- 契約期間:最低何か月の契約か、途中で範囲を変えられるか
特に見落としやすいのが、媒体費の扱いです。代行の料金が安くても、媒体の掲載費が別にかかれば総額は大きく変わります。
見積もりを依頼するときは、この5つを聞くようにしましょう。返ってきた見積もりの差が、そのまま「サービスの違い」として読めるようになります。
費用相場と総額の計算は別の記事で確認を
料金体系ごとの相場や、総額の計算方法はこちらの記事で詳しく解説しています。見積もりの金額が妥当かどうかを判断する材料にしてください。
採用代行(RPO)の費用相場はいくら?|月額・成果報酬など料金体系を整理
条件をそろえる作業は、慣れていないと時間がかかります。
「見積もりの条件をそろえるのが難しい」「自社に合う依頼範囲をプロに整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

採用代行で失敗しやすいパターンと、丸投げにしない運用の回し方
採用代行は、契約して終わりではありません。よくある失敗パターンを知っておくと、契約前と契約後に何をすればいいかが見えてきます。
範囲を決めずに依頼して、費用だけがかさむ
「とりあえず全部お願いしたい」というように範囲を指定せずに依頼すると、必要のない作業まで料金に含まれがちです。結果として、成果に対して費用だけが膨らんでしまいます。
任せる業務は、優先施策に関わるものから始めましょう。成果を見ながら範囲を広げるほうが、無駄な出費を抑えられます。
役割分担があいまいで、作業が重なる
代行側と社内の担当者が、同じ候補者に別々に連絡してしまう。こうした重複は、役割分担を決めずに走り出したときに起こります。候補者から見ると、連絡が二重に届く会社は不安に映ります。
契約の初めに「誰が・何を・いつまでに」を一覧にして共有しておきましょう。特に、候補者への連絡窓口を1つにしておくことが大切です。
選考基準のすり合わせ不足で、合わない人が集まる
任せる前の準備で最も差がつくのが、選考基準のすり合わせです。どんな人を通過させるかが共有されていないと、代行側は自社に合う人材を見極められません。
依頼先の質にも、大きな差があります。代行側の戦略や進め方、成果を定期的に確認し、こちらから意見を伝えましょう。ときには方針を軌道修正しながら進めることで、成果につながりやすくなります。
定例で数字を共有し、改善のサイクルを回す
丸投げにしないためには、週次や月次の定例を設けるのが効果的です。応募数や面接の実施数などの数字を共有し、次の打ち手を一緒に決めます。
代行側は実務と数字の報告を、自社は方針と判断を担う形にすると、役割が自然に分かれます。この流れを続けることで、採用のノウハウも社内に残りやすくなります。

定例で共有する数字を何にするかは、こちらの記事が参考になります。
契約前に確認したいこと
契約の前には、業務の範囲と料金に加えて、担当者の体制や報告の頻度も確認しておきましょう。定例の形式や、数字をどんな形で報告してもらえるかも大切な確認点です。
また、募集の業務を外部に委託する場合は、契約の形によって許可や届出が関わることがあります。依頼先がどのような形で業務を受けるのか、契約前に確認しておきましょう。
採用代行の比較でよくある質問
合否の判断まで代行してもらえますか?
合否判定は、自社で行うのが基本です。面接を代行してもらう場合も、評価の材料を受け取り、最終的な判断は自社で下します。判断の基準を事前に共有しておくと、代行側の評価も自社の目線に近づきます。
一部の業務だけ頼むことはできますか?
できます。スカウトの配信だけ、日程調整だけといった部分的な依頼に対応するサービスは多くあります。まずは手が回っていない作業を1つ選び、小さく試すのがおすすめです。
求人媒体の費用は料金に含まれますか?
サービスによって異なります。たとえば、まるごと人事は媒体やエージェントとの契約費用を含みません。採善策も、求人媒体の掲載費・利用料を別途としています。見積もりの段階で、含むか含まないかを必ず確認しましょう。
まとめ
採用代行は、どこまで任せるかを決めてから選ぶと、費用と成果のバランスがとりやすくなります。この記事の要点を振り返ります。
まず最初にやることは、自社の採用業務を5つのフェーズに分けて書き出すことです。書き出した作業に「任せる」「自社に残す」の印をつければ、依頼先を探す軸が定まります。
「採用マーケティングをもっと体系的に学びたい」「自社の採用課題を一緒に整理してほしい」という方は、ぜひいぬのてにお任せください。

いぬのて田村
採用課題をWEBマーケティングで解決するいぬのて代表。
動物全般が好き。
常に挑戦することを楽しんでいます🐶