【2026年10月第4週】採用マーケティング関連 最新情報まとめ
2026年10月第4週(10月17日〜10月23日)の採用マーケティング関連ニュースをまとめました。
新卒採用では、27卒の学生が選考で最も苦戦したのは最終面接ではなく一次面接だったことが判明。28卒では希望年収が400万円台に広がる一方、提示額が希望を下回っても約9割は条件次第で辞退しないと回答しています。
中途採用では、転職活動者の約8割が採用サイトを見ても自分に合う会社か判断できなかった経験を持ち、良いことばかりの情報発信が応募意欲を下げていることが明らかになりました。退職代行の利用者は入社半年未満が約6割を占め、3人に2人が同じ業種からも離れる意向です。
1.新卒採用関連のTOPICS
27卒の壁は「最終」より「一次面接」——情報収集はTikTokがXの2倍に
就活で最も苦戦したことは面接が53.9%で最多。苦戦した段階は一次面接が54.0%と、最終面接の35.8%を上回った。SNSでの情報収集はTikTokが20.4%で、Xの約2倍に。
一次で苦戦が多いのは、学生の準備不足だけが理由ではなさそう。早期化で企業理解が浅いまま臨むうえ、一次は面接官ごとに評価がぶれやすい段階。ストレスの2位が志望動機づくりだった点を踏まえると、一次では志望動機を深く問わず、経験や人柄の確認に絞るのも一案です。

28卒の希望年収は「400万円台」が3割超——給与の差は福利厚生で埋まる
28卒の希望年収は300万円台が39.4%で最多だが前年から減少し、400万円台は34.2%に増加。提示額が希望を下回っても約9割は条件次第で辞退せず、補う条件は福利厚生が最多。
初任給の引き上げが相次ぎ、学生の相場観も上昇しています。給与で競いにくい中小企業にとっての救いは、差額100万円以内なら他の条件で補える層が多い点です。ただし「福利厚生」は中身が見えなければ評価されません。家賃補助や手当を含めた実質的な年収で示すと、差は小さく見せられます。回答は167件と小規模。

28卒の8割超がインターン参加——文系の3割は「専攻を活かせる仕事」が見えず
28卒の4〜9月のインターンシップ等への参加率は82.7%。5日〜1週間程度のプログラムは37.1%に増加。専攻を意識した参加は理系79.6%に対し文系46.2%と、33.4ポイントの差がある。
文系の多くは専攻にとらわれず幅広く企業を見ており、知名度より出会い方で勝負できる層です。見逃せないのは、専攻を活かせる仕事が思い浮かばない文系が約3割いる点。「経済学部の学びは営業のここで活きる」と学部と仕事をつなげて示すだけでも、関心を引けるかもしれません。学びとしてフィードバックによる自己理解が挙がっていることから、短期プログラムでも最後に一人ひとりへ講評を返すことが有効です。

2.中途採用関連のTOPICS
「良いことばかり」の採用サイトは逆効果——8割が自社に合うか判断できず
ジーピーオンライン調べで、転職活動者の77.7%が、採用サイトで自分に合う会社か判断できなかった経験を持つ。応募意欲が下がる要因は「良いことばかり」が43.7%で最多。「デザインがダサい」は2.0%にとどまった。
デザインの影響はわずか2%。予算をかけたリニューアルより、仕事の大変なところや向いていない人の特徴を書き足す方が効果は大きそうです。応募が減る不安はありますが、合わない人が自ら降りれば選考の手間も減ります。社員インタビューに「入社して大変だったこと」を1問加えるだけでも始められます。ただし調査元はWeb制作会社で、回答は300名と小規模な点には留意が必要。

退職代行の6割は入社半年未満——辞めた人の3人に2人は業界ごと離れる
退職代行の利用者は20代が59.5%で、入社半年未満が58.7%を占める。職場が改善されても勤務を続けたいと思えなかった人は92.1%。次も同じ業種で働きたくない人は65.4%にのぼった。
職場が改善されても9割が戻らないことからわかるのは、退職の意思が固まってからでは手遅れだということ。半年未満が6割という数字は、入社前の情報と入社後の実態のズレを示しています。入社1〜3か月の面談を、直属の上司以外が担うのが有効です。同業種離れが3人に2人という点は、業界全体の人材不足にもつながる問題。裏を返せば、業界未経験者を受け入れる体制がある企業には採用の好機かもしれません。

管理職の悩み1位は「部下のやる気」——会話は得意でも動機づけに苦戦
管理職が比較的うまくいっていると感じることは部下との日常的なコミュニケーションが31.7%で最多。課題は部下のモチベーション向上が26.4%で最多。経験5年以上でも27.9%が難しさを感じている。
気になるのは、管理職が「会話はできている」と感じている点です。前述の退職代行調査では、上司に退職の意思を伝えた人は約1割。話せているつもりと、本音を言える関係とは別物かもしれません。1on1の議題を業務の進捗から本人のキャリアに変えるだけでも、動機づけの糸口は見えてきます。中途採用では、配属先の上司が面接に同席すると相性を確かめやすくなります。

「自社を勧める」は29%で32か国中最下位——管理職に魅力を感じる人は8%
日本の就業者で自社の方向性に自信を持つ人は28%、自社を職場として勧める人は29%で、いずれも32か国中最下位。一方、転職意向は31%と世界平均を下回り、管理職に魅力を感じる人は8%だった。
推奨意向が低いと、リファラル採用は機能しにくくなります。ただし転職意向も低く、不満を抱えながら留まる人が多い構図。中途採用の視点では、今すぐ転職しない潜在層が厚いことを意味し、カジュアル面談などで接点を早めに作る企業が有利です。管理職の不人気は、管理職候補の採用が難しくなることにも直結します。なお、日本人は控えめに回答する傾向があり、国際比較の順位はやや割り引いて見る必要がありそうです。

キャリアの満足度は5項目で最低——4割超は「どちらともいえない」
勤務先に満足している会社員は43.9%。テーマ別の満足度は職場・人間関係が48.0%で最も高く、キャリア・成長が37.6%で最も低い。キャリア・成長は「どちらともいえない」が43.2%を占めた。
キャリアに不満というより、この会社で成長できるか判断がつかない人が多いと読めます。指導する立場の42.2%がハラスメントを気にして必要な指導を控えた経験があるという結果も、成長実感の乏しさと無関係ではなさそうです。中途採用では、入社後3年の役割や昇格の道筋を面接で具体的に示せる企業が、現職でキャリアが見えない層を引きつけやすくなります。

まとめ
今週のニュースを通じて見えてきたのは、職場の「実態」が見えないことが、応募の前にも入社の後にもブレーキになっているという構図です。
新卒採用では、学生の希望年収が上がる一方、福利厚生や業務内容しだいで給与の差を受け入れる層が大半でした。文系学生の多くは専攻にとらわれず企業を見ており、学びと仕事のつながりを具体的に示せる企業ほど関心を引きやすくなります。一次面接の進め方を見直すことも、取りこぼしを減らす一手になりそうです。
中途採用では、求職者は採用サイトに魅力のアピールより、仕事の大変さや向いていない人の特徴といった本音を求めていました。入社後も、半年以内に退職代行で辞める人が多く、改善されても戻らない人が9割を超えます。管理職は会話はできていると感じている一方、部下の動機づけに苦戦し、社員の多くは自社でのキャリアを判断しきれずにいます。
採用サイトで実態を伝え、面接で任せる仕事とキャリアの道筋を示し、入社後は上司以外にも相談できる場を設ける。応募から定着までを同じ「実態の開示」でつなげられる企業が、人材の取り合いで一歩抜け出すことになるでしょう。
いぬのて田村
採用課題をWEBマーケティングで解決するいぬのて代表。
動物全般が好き。
常に挑戦することを楽しんでいます🐶