2026年1月第3週(1月10日~16日)の採用マーケティング関連ニュースをまとめました。
新卒採用は、就職人気ランキング、初任給への関心の高まりがトピックに。学生の価値観を理解した採用活動の重要性が改めて浮き彫りになりました。
中途採用では、介護人材確保への行政支援強化や転職率の過去最高更新、職場環境の健康影響、中堅社員の成長実感不足がトピックに。人材定着にフォーカスした環境整備が急務です。
- 1. 新卒採用関連のTOPICS
- 2. 中途採用関連のTOPICS
- 面接日程調整の理想は即日だが実態は1~5日要する。自動化が課題
- 主要17業界の人的資本地図公開。男性育休取得率は業界で大きな格差
- 20代正社員の91.1%が新スキル習得を希望。成長実感が主な理由
- 厚労省が2026年度からハローワーク通年支援。医療介護人材確保を強化
- 管理職の深夜・休日チャット連絡がハラスメントリスクに。抗議相次ぐ
- 京都大学が嫌な仕事の脳回路を解明。やる気ブレーキのメカニズム発見
- 労働と健康に関する研究4選を紹介。退職で認知機能向上など
- 2025年の正社員転職率は7.6%で過去最高。ミドル層の転職が活発化
- 中堅社員の36%のみが成長実感。離職意向高まる課題が浮上
- 在宅ワークの課題は集中しにくさとコミュニケーション困難が上位
- リファラル採用でZ世代の離職防止。信頼ベースでミスマッチ減少
- ノンデスク領域求職者の平均手取り16万円。生活借入65%の厳しい実態
- 転職後の即戦力化努力は「周りに質問」が1位。94.6%が成果実感
- ビズリーチが2025年採用トレンドを発表。AI開発が検索1位に
- 20代の転職経験率47.2%。採用側の56.7%が即戦力を求める
- 採用広報を83%が重要視するも、計画策定は57.3%に留まる
- まとめ
1. 新卒採用関連のTOPICS
27卒就職人気ランキング発表。伊藤忠商事が5年連続で首位獲得
27卒学生の就職人気ランキングで伊藤忠商事が5年連続1位、NTTデータが上昇。体感型インターンとサポート体制が高評価。早期選考への意識が高まる中、企業の魅力発信力が問われる。
文系は商社が依然として人気ですね。上位はネームバリューのある企業ばかりですが、ネームバリュー以外の人気の秘訣を分析することで傾向が見えるかもしれません。採用広報の情報発信の仕方やコンテンツの内容、デザインなどを要チェックです。

27卒学生の初任給希望は25-29万円が44.3%で最多。成果主義志向強まる
27卒学生が適正と思う初任給は25-29万円が44.3%で最多。成果主義型給与を56.3%が魅力的に感じ、年功序列より個別評価を好む傾向。企業の給与体系見直しが急務に。
どんどん高くなる初任給。大手が軒並み基準を上げる一方で、中小企業は追い付けていないのが現状です。学生の求める基準も高くなっており、基準に満たない給与では足切りされてしまいます。初任給を見劣りしないレベルまで高め、加えて競合優位になる魅力づくりと広報活動が必須です。

新卒採用の選考がますます早期化。一方で学生の6割が「早すぎる」と回答
27卒学生のうち「選考を受けた」が早くも6割超。一方で志望企業の選考スケジュールを「早すぎる」と回答する学生の割合は年々増加し、27卒では6割に達する。早期化と学生ペースのバランスが課題に。
新卒採用は年々早期化が激しくなっています。リソースを避けない企業はどうしても出遅れてしまいがち。そうならないよう数か年のスケジュールを組んで、早め早めに動くのがオススメです。自社の価値に自信があるなら、学生のペースに合わせてあえて選考時期を遅らせる逆張りもアリです。

2. 中途採用関連のTOPICS
面接日程調整の理想は即日だが実態は1~5日要する。自動化が課題
採用担当者の71.2%が面接日程調整の理想を当日~翌日とするが、実際は約8割が1~5日要する。困りごととして調整の煩雑さが51.9%で最多。候補者離脱リスクへの対応が急務に。
日程調整の遅れは候補者離脱のリスクを高めることに。LINEやAIエージェントなどの導入で自動化するのがオススメです。

主要17業界の人的資本地図公開。男性育休取得率は業界で大きな格差
男性育休取得率、女性管理職比率、平均年齢・勤続年数などを可視化。男性育休取得率は金融・インフラ系が高水準。女性管理者比率はBtoC業界が高い。業界間の差異が鮮明に。
自社が他の業界と比べてどのポジションにいるかを把握できるデータです。求人を考える際に業界内の競合と比較するのも良いですが、競合する業界も含めて競合優位に立てる内容にすることも重要です。

20代正社員の91.1%が新スキル習得を希望。成長実感が主な理由
20代正社員の91.1%が新スキル習得を希望。理由は成長の実感29.3%、貢献意欲が24.8%。コミュニケーション力、語学力、資格取得が人気で、既に63.9%が学習中。
希望する割合に対して習得支援を行っている企業が少ないというミスマッチが生まれていそうです。一度社内アンケートを通して従業員の学習意欲を確かめ、福利厚生の設置を検討することをオススメします。業種や職種で数字が変わる可能性もあります。

厚労省が2026年度からハローワーク通年支援。医療介護人材確保を強化
厚生労働省は2026年度からハローワーク所長が病院・介護施設を訪問し人材仲介を強化。現場の魅力を求職者に伝える取り組みを通年化し、医療介護分野の人材確保を支援する。
ハローワークが魅力を伝える作業を代行してくれるように見えますが、実際は今まで通り事業者がすべて用意するというのは変わらない気がします。どのような取り組みになるか、しばらく静観するのが良さそうですね。
管理職の深夜・休日チャット連絡がハラスメントリスクに。抗議相次ぐ
管理職が深夜・休日にチャットで部下に連絡。「返信不要」とするが通知自体がプライベート侵害と抗議を受ける。労働時間該当やパワハラリスクを指摘する内容で組織課題として浮上。
業務時間外の連絡やその対応を当然とする文化をもつ企業は未だに少なくありません。負のレガシーな文化や価値観は新しい人に受け入れられるわけがないので、離職が増える→悪い評判が広がる→応募が来なくなり人員補充がままならくなるという負のスパイラルに陥る恐れがあります。トップダウンで早めの社内全体のアップデートが必要です。

京都大学が嫌な仕事の脳回路を解明。やる気ブレーキのメカニズム発見
京都大学らがストレス課題時の行動抑制回路を特定。腹側線条体-腹側淡蒼球経路がやる気ブレーキとして機能。うつ病との関連可能性も示唆され、モチベーション管理の科学的理解が進む。
誰にでも覚えがありそうなやる気ブレーキの経験。この仕組みが解明されました。管理者はメンバーがやる気ブレーキを起こす前提で早めの進捗確認や声掛けをするなどの対処をすると、スムーズな進行管理ができるようになるかもしれません。

労働と健康に関する研究4選を紹介。退職で認知機能向上など
退職と健康の関係、週4日勤務で満足度アップ、長時間労働が及ぼす脳への影響、通勤時間と睡眠障害の関係性を研究。働き方と健康の関係が浮き彫りに。
当然と言えば当然ということがデータとして明らかになっています。特に女性にとって働くストレスは大きく、長時間の労働も通勤も健康に良くない。このように当たり前だと分かっていながら、健康に配慮しない働き方を続けている労働者や推奨している企業がほとんどです。支持される組織を目指すには、まず従業員の健康管理が最低条件になるかもしれません。

2025年の正社員転職率は7.6%で過去最高。ミドル層の転職が活発化
正社員転職率が7.6%に上昇し、過去最高を記録。30~50代のミドル転職が増加、特に40代・50代で継続的上昇傾向。労働市場の流動性が高まり企業の人材戦略見直しが急務に。
中途市場の活性化は、企業にとって脅威とチャンスです。社内環境のアップデートと積極的な情報発信を行うことで、離職防止と認知拡大を同時に強化していきましょう。

中堅社員の36%のみが成長実感。離職意向高まる課題が浮上
中堅社員で成長を感じる機会があると回答したのは36%のみ。成長機会が「よくある」と「全くない」では勤続意向の差が顕著に広がる。
どうしても新入社員にばかり目が行きがちですが、ミドルキャリア層のフォローも考えたいところ。スキルはあるはずなので、モチベーションをコントロールすれば会社の根幹的な存在になるはずです。定期的な従業員サーベイを行い、一人ひとりに向き合った育成・管理を心がけましょう。

在宅ワークの課題は集中しにくさとコミュニケーション困難が上位
在宅ワークの嫌な点1位は「集中しにくい」、2位は「コミュニケーションを取りづらい」。自己管理強化が必要となり、企業側のサポート体制構築が求められる状況。
働き手にとってメリットが多いと見られがちな在宅ワーク。当然ですが、デメリットを感じる人も多いようです。その人のパフォーマンスや健康状態が向上するのはどの働き方なのか、データで抽出して選べるようにするのが理想ですね。

リファラル採用でZ世代の離職防止。信頼ベースでミスマッチ減少
Z世代の半数がリファラル応募経験あり。信頼ベースでミスマッチが減るが、断りづらさが課題。
ここ数年で一気に注目度を上げた「リファラル採用」。おそらくZ世代を問わず離職防止に有効だとは思いますが、紹介者に申し訳なくて辞めるのを躊躇しているだけで、離職希望の潜在層は多いのかもしれません。社員全体のエンゲージメント向上させるには、辞めづらさを解消した設計が求められます。

ノンデスク領域求職者の平均手取り16万円。生活借入65%の厳しい実態
ノンデスク領域求職者の平均手取りは16万円、生活のための借入経験者は65%。
オフィスワーカーとの比較がないため何とも言えませんが、ノンデスクワーカーは経験年数による評価が主流のため、年齢による収入格差が大きいのかもしれません。従業員のモチベーションを維持・向上させるには、給与への反映を前提とした評価制度の整備が1つの方法として挙げられます。

転職後の即戦力化努力は「周りに質問」が1位。94.6%が成果実感
転職後の即戦力化努力1位は「周りに質問」。知識不足が課題だが、努力の成果を94.6%が実感。
慣れない環境で努力をし続けられる人材であれば問題ありませんが、社内のフォロー体制が十分でないと、ふとした拍子に離職を考えるようになりかねません。特に日本人は努力することを当然とする傾向があるため、新人の努力を評価したりフォローしたりする文化が薄い印象です。本人の努力するモチベーションを維持してもらうためのフォロー体制の整備が、離職防止とパフォーマンス向上につながります。

ビズリーチが2025年採用トレンドを発表。AI開発が検索1位に
ビズリーチが2025年レジュメ検索トレンドを発表。「AI開発」が1位、「AIエンジニア」が4位に。年収1000万円以上のAI求人は3年前と比べて約4.2倍増。
AI開発のできるAIエンジニアが求められているのが明らかになりました。2位にランクインした「営業 新規」、3位の「現場代理人」からは、AIトレンドと違い、動ける人や専門的な実地経験のある人が求められている印象です。企業はこのデータを踏まえて、自社の求める人材の競争率を把握し、各施策の指標や採用単価の目標値を設定する必要があります。

20代の転職経験率47.2%。採用側の56.7%が即戦力を求める
20代の47.2%が転職経験あり、33.7%が1年以内に転職希望。採用側の56.7%が即戦力を求める。転職行動の活発化と採用課題が浮き彫りに。
20代の流動性が異様に高くなっています。早期離職防止策を講じるのは前提ですが、もはや転職ありきの採用や人材育成をプランの1つとして持っておいた方が良さそうです。

採用広報を83%が重要視するも、計画策定は57.3%に留まる
採用広報を重要視する割合は83%だが、計画策定は57.3%、担当増員は24.1%に留まる。重要性認識と実行の間にギャップが存在し、体制整備が課題に。
2025年に注目を集めた「採用広報」。今後ますます重要になるのは目に見えていますが、着手できていない企業は多いようです。応募などに直接つながる施策ではないので、採用担当者と上層部、またはトップと現場で温度感が生じやすい施策ではあります。上層部へはKPIやROIなど、採用広報の指標や成果目標などを数字で示すこと、現場には採用広報を行う目的の周知と共感が理解を進めるポイントになります。

まとめ
新卒採用は早期化と初任給の引き上げが止まりませんね。資本力とネームバリューのある大手は待遇条件と規模の大きいPRで賄えますが、中小は他の魅力を打ち出し、愚直にアピールしていくしかありません。
中途採用はさまざまなトピックが出てきていますが、重要なのは自社と今いる従業員を理解して、候補者を含めた一人ひとりと向き合うことです。
これらを実行するためにはマーケティングの考えを取り入れて戦略を設計し、効果検証していくことが必須です。
つらい局面もあるかもしれませんが、今回取り上げたトピックを参考にしながら、粘り強く自社の採用成功パターンを見つけていきましょう!
