2026年1月第4週(1月17日~23日)の採用マーケティング関連ニュースをまとめました。
新卒採用では、生成AIが就活の情報収集を大きく変革し、7割の学生がAIを活用する新時代に突入。また、業界起点の企業選びが主流となり、ナビサイト離れが顕著に。採用サイトの重要性が一段と高まっています。
中途採用では、報酬制度への不満が人材流出を招く実態が判明。わずか6%の企業しか報酬競争力に自信を持てず、透明性の高い評価制度の構築が急務です。一方で、契約社員の満足度が正社員を上回るという興味深い結果も。柔軟な働き方への需要が明確化しています。
WEBマーケティングでは、YouTubeのモバイルUI刷新やX Starterpacksの活用戦略が注目を集め、企業のSNSマーケティングに新たな可能性が。
全体として、AIとデジタルツールの進化が採用活動を根本から変えつつあり、企業は候補者の情報収集行動の変化に素早く対応する必要に迫られています。
- 1. 新卒採用関連のTOPICS
- 2. 中途採用関連のTOPICS
- 報酬競争力に自信ある企業はわずか6%。透明性が課題に
- 45歳以上の中途採用、8割が「課題なし」。年齢バイアスは杞憂
- 退職は突然ではない。3段階の心理変化を見逃すな
- 派遣の50%超が「無理なく働き続けたい」。現状維持志向が多数派
- 契約社員の満足度70%で最高。柔軟性が給与を上回る価値に
- 管理職打診を辞退する中堅社員が25.1%。成長実感が鍵
- 企業95%が成長見込むも、働き手の確信は51%。意識に乖離
- 仕事が忙しすぎる理由1位は人手不足49%。メンタル悪化が深刻
- ブラック企業回避策1位は会社情報調査。それでも55%が入社
- バイト探しの9割が職務経歴書作成に負担を実感
- 「えーっと」「あのー」が聞き手の記憶力を高めると判明
- 従業員が「軽んじられた」と感じると労働意欲が激減
- 年代別に異なる働く不安。福利厚生の役割も変化
- 尊敬する上司の退職で20代の7割超がモチベーション低下
- マイナビ調査で3割が従来の採用に限界感じる
- 3. WEBマーケティングに関連するTOPICS
- まとめ
1. 新卒採用関連のTOPICS
生成AI活用が就活の常識に!7割が利用。企業認知の6割はAI経由
就活でAI利用70.3%、AI経由の企業認知62.1%、企業選択影響は67.9%。AIが推薦した企業への行動は採用ページ閲覧49.7%、説明会参加42.2%、応募14.6%。自己条件詳細伝達で最適企業提案受ける使用法が主流。
生成AIはもはや就活生の「キャリアアドバイザー」ですね。企業側は、AI検索で自社がどう認識されているかを把握し、SEOだけでなくLLMO(大規模言語モデル最適化)を意識した情報設計が必要になりつつあります。自社の採用サイトなどで自社の強みをAIが理解しやすい形で整理し、構造化データとして発信することで、AI経由の認知を高めていきましょう。

27卒就活は「業界」から始まる。ナビサイト依存が大幅低下
志望きっかけが業界志向20%で最多。理系はインターンでの印象が21.8%。志望理由は業績の安定が19.1%でトップ。情報源は採用HP26.2%、企業HP22.5%で、ナビサイトは23.9%から14.4%へ低下。
ナビサイトの役割が「広く探す」から「候補を絞る」へシフト。業界を先に決め、その中で企業を比較検討する行動パターンが定着しています。企業は自社の業界ポジショニングを明確にし、「この業界で働くベネフィット」「業界内での自社の独自性」などを採用HPで訴求することが求められます。

新卒の87%が採用サイトを必ずチェック!失敗談開示が信頼の鍵
20代求職者の200人中87%が応募前に採用サイト確認。仕事内容詳細55%、配属先雰囲気・残業時間各44%が情報不足。失敗談開示で52%が信頼度上昇、5.5%のみ低下。リアルな情報開示が鍵。
採用サイトは「企業の顔」から「透明性の証明」へと進化しています。学生が最も求めるのは、仕事の具体性と職場のリアルな姿。失敗談の開示は一見リスクに見えますが、実は信頼構築の強力な武器となり、「この会社は正直だ」という印象で応募意欲を高めます。ただし、失敗をどう乗り越えたかのストーリーとセットでポジティブに伝えることが重要です。

出世したい新卒は6割。ただし上司には「フランクな関係」を望む
24〜27卒の450人中6割が出世意欲あり。理由は給与213人、裁量権80人、転職・独立活用42人。理想のマネジメントは具体的フィードバック201人、褒める育成189人。出世したい層ほどフランクな関係を求める。
出世意欲は高いが、昭和型の縦社会は拒否――これがZ世代の本音です(Z世代だけでなく、どの世代にも当てはまることだと思いますが)。給与と裁量を求めつつ、上司とはフラットな関係性を望む。この性質を理解し、企業は「上下関係」ではなく「メンター制度」や「1on1」の文化を強化し、対話ベースのマネジメントへシフト・注力を検討しましょう。もちろんZ世代のすべての人にあてはまるわけではないので、一人ひとりの適性を見極めることが重要です。

若手の管理職志向はわずか27%。やりがいが分岐点に
20代会社員の管理職志向は27%のみ。仕事のやりがい(ワークエンゲージメント)上位層56%が志向、中位14%・下位12%。上司の厳しさと優しさ両立が前向きな心理状態形成に重要。
管理職になりたくない若手が7割超――この現実を嘆くのではなく、戦略的に活用すべきです。重要なのは「全員を管理職に育てる」ことではなく、「やりがいを感じている人材を見極め、その層に管理職の魅力を伝える」こと。また、各社員のワークエンゲージメントのレベルをサーベイや面談で定期的に抽出し、やりがい向上策を講じることも必要です。

2. 中途採用関連のTOPICS
報酬競争力に自信ある企業はわずか6%。透明性が課題に
報酬制度が採用定着面で優位に働く企業は6%のみ。ジョブ型導入進むも評価の納得感・公平性確保が障壁。人材離職・エンゲージメント低下・専門人材不足が課題。業績連動性強化と透明性高い制度設計が求められる。
報酬への不満は、離職の最大要因の一つ。しかし問題は「額」だけではなく「納得感」です。どれだけ高給でも、評価基準が不透明なら不満は募るもの。企業は報酬テーブルの可視化、評価プロセスの透明化、目標と報酬の連動性を明確にすべきです。

45歳以上の中途採用、8割が「課題なし」。年齢バイアスは杞憂
ミドルシニアの採用前の懸念は業務習得やスキル不足が上位だが、採用後8割以上が課題感じず。約半数が活躍を実感し、柔軟性や給与水準の懸念も杞憂と判明。
「45歳以上は新しいことを学ばない」「組織になじまない」――こうした思い込みが、優秀な人材の獲得機会を奪っているようです。実際には8割が問題なく活躍。むしろ、豊富な経験と人脈、安定したパフォーマンスというメリットが大きい。働き手の転職に対する抵抗感が薄れている現在、企業も思考のアップデートが必要です。
退職は突然ではない。3段階の心理変化を見逃すな
離職防止は予兆察知と早期対応が重要。仕事や組織との関係性が揺らぐ「土台の変化」があり、ショックをきっかけに退職検討へ。組織的支援の低下で「軽んじられた」と感じると離職に傾く。人間関係強化で離職防止可能。
退職は「ある日突然」ではなく、数ヶ月かけて進行するプロセス。最初の兆候は「土台の揺らぎ」――仕事への疑問、組織への違和感。この段階で対話できれば、離職は防げます。踏み込んだ対話に加え、従業員エンゲージメント調査を定期的に実施し、数値の変化から予兆を察知する仕組みが効果的です。

派遣の50%超が「無理なく働き続けたい」。現状維持志向が多数派
派遣選択理由は時給の高さが最多43.9%。仕事選びでは休日取りやすさ60.8%がトップ。今後は無理なく長く続けたいが53.7%で現状維持志向が多数派。キャリア支援は資格取得・自己分析へのニーズ上位。
派遣社員の本音は「キャリアアップ」ではなく「安定的に働き続けたい」。これは決してネガティブな傾向ではなく、ライフステージに合わせた合理的な選択。企業が派遣社員を活用する際は、この「現状維持志向」を尊重しつつ、希望者にはキャリア支援の道を用意する二段構えが理想的です。

契約社員の満足度70%で最高。柔軟性が給与を上回る価値に
働き方の満足度は契約70%、パート58.2%、派遣50%、正社員48.2%。働き方選択基準は勤務時間柔軟性66.8%が給与62.7%を上回る。転職検討層42.8%。リスキリング必要性認識8割も実行3割。
正社員の満足度が最も低い――この衝撃的な結果が示すのは、「安定」よりも「柔軟性」を重視する時代の到来を示唆しています。長時間労働、転勤リスク、硬直的な働き方が、正社員の魅力を少なくしている原因。業務委託メンバーをメインとした組織編制を行う企業も増えてきており、雇用形態の垣根を超えた人材マネジメントが、今後の鍵になりそうです。

管理職打診を辞退する中堅社員が25.1%。成長実感が鍵
管理職志向なしの中堅750人中、管理職打診に対して承諾8.3%、検討31.9%、辞退25.1%。成長実感高い層ほど承諾割合増で、スペシャリスト志向は承諾22.4%で最高。
管理職を打診しても4人に1人が辞退する時代。理由は「責任の重さ」「プレイヤーでいたい」「管理職の魅力が見えない」など。企業は管理職の役割を再定義し、「部下の管理」から「チームの成果最大化」へシフトすべきです。また、スペシャリストとしてのキャリアパスを明確に示すことも重要。誰もが管理職を目指す必要はなく、専門性を極める道でも高い処遇を得られる――そんな選択肢を用意することが、優秀な中堅社員の定着につながります。

企業95%が成長見込むも、働き手の確信は51%。意識に乖離
AIエージェント求人が1587%急増。従来のキャリア志向は41%のみ、雇用主72%が昇進制度を時代遅れと認識。
経営層と従業員の間に大きな認識ギャップ。企業は成長を確信しているのに、働き手の半数は懐疑的。この溝を埋めるには、ビジョンの共有と透明度の高いコミュニケーションが不可欠です。また、従来型のキャリアパスが機能しなくなっている現実も直視すべき。昇進だけがキャリアではなく、専門性の深化、プロジェクト単位の挑戦、副業での経験蓄積など、多様なキャリア形成を認める文化が求められています。

仕事が忙しすぎる理由1位は人手不足49%。メンタル悪化が深刻
仕事が忙しすぎる理由は人手不足49%、作業量過多19%、無駄作業12%。メンタル悪化30.2%、仕事質低下29.8%、労働時間長期化28.4%に影響。軽減策は同僚協力17%、タスク管理13.6%。
人手不足が職場の疲弊を招き、それがさらなる離職を生む――この悪循環を断ち切るには、採用強化だけでは不十分。業務の棚卸しと無駄の削減、ツールによる効率化、適切な権限委譲が必要です。「忙しい職場」は求職者にとって最大のネガティブ要素。採用ページで「残業時間の削減実績」「業務効率化の取り組み」を具体的に示すことが、優秀な人材を引き寄せる鍵になります。

ブラック企業回避策1位は会社情報調査。それでも55%が入社
ブラック企業を回避するために実践した対策は会社情報調べが29.6%、残業実態調査23.6%。気を付けても55%がブラック企業入社経験あり。入社後の判断理由は残業代未払23.2%、残業過多14.4%、求人票と実態の乖離10.2%。
どれだけ調べても、半数以上がブラック企業に引っかかる――この事実が示すのは、企業側の情報開示の不十分さ。求人票と実態の乖離が最大の問題です。環境・待遇改善を行う前提で、企業は「見せたい姿」ではなく「ありのままの姿」を伝えるべき。残業時間、離職率、有給取得率などのデータを開示し、社員の声をそのまま掲載する。短期的には応募数が減るかもしれませんが、長期的にはミスマッチが減り、定着率が上がります。透明性こそが、最強のブランディングです。

バイト探しの9割が職務経歴書作成に負担を実感
バイト求職者の約9割が職務経歴書作成に負担を感じ、約半数が負担理由で応募見送り経験あり。長文記載・詳細要求・手書き指定が負担要因。自己PR・志望動機・職務経歴が苦手項目で、職歴ブランクや短期就業が記入難易度を高める。
応募のハードルを下げることが、応募数増加の最短ルート。職務経歴書の提出を必須にしている企業は、その必要性を再考すべきです。特にアルバイトや派遣では、履歴書のみで十分なケースも多いはず。どうしても必要なら、フォーマットを簡素化し、記入例を豊富に用意する。応募者の負担を減らすことは、企業側の母集団形成にも直結します。

「えーっと」「あのー」が聞き手の記憶力を高めると判明
話し手の言い淀みは悪印象を与えがちだが、聞き手の記憶を助ける効果が判明。言い淀み直後の単語を正しく思い出す確率が約1.45倍に上昇。次に重要な情報が来ると注意を向ける傾向あり。
採用面接や会社説明会での「完璧なプレゼン」は、実は記憶に残りにくいかもしれません。適度な言い淀みは、「次に重要な情報が来る」というシグナルとして機能し、聞き手の注意を引きつける。過度に台本通りの説明よりも、自然な語り口の方が、候補者の記憶に残りやすい可能性があるかも。ただし、言い淀みすぎは逆効果。要所で意図的に間を取る、くらいのバランスが理想的でしょう。
従業員が「軽んじられた」と感じると労働意欲が激減
米大学研究により周囲から軽んじられたと感じた従業員は労働意欲が低下すると判明。誕生日カード配布が5日遅れただけで欠勤率約50%増加、労働時間が月2時間以上減少。気持ちのズレが行動変化を招く。
アメリカの研究結果なので誕生日カードはピンときませんが、従業員は「自分が大切にされているか」を細部から読み取っているということは日本でも共通しそうです。応募者への返信が遅い、面接日程の調整が雑、内定通知が形式的、入社後の成長は本人任せ――こうした小さな「軽んじ」の積み重ねが、内定辞退や離職につながる可能性があります。候補者や社員を「大切にする」姿勢を、プロセス全体で体現すべきです。

年代別に異なる働く不安。福利厚生の役割も変化
年代により働く不安が異なると判明。20代は子育て・福利厚生実感9割、30-40代は急な出費、50代はスキル不安・福利厚生実感3割。全世代共通で旅行レジャー制度が使いにくく、日常で使える制度が求められる。
福利厚生は「あれば良い」ではなく「使えるものを」の時代。旅行補助よりも、保育園探しサポート、資格取得支援、副業許可など、実生活に直結する制度があると、競合との差別化につながります。

尊敬する上司の退職で20代の7割超がモチベーション低下
尊敬する上司の退職時に7割超がモチベーション低下、約4割が転職検討のきっかけに。尊敬できる上司の特徴は誠実で人柄が良い、部下をよく見る、コミュニケーション取りやすいが上位。
優秀な上司の退職は、組織にとって「連鎖退職」のリスク。特に若手社員は、上司との関係性を重視して会社を選ぶ人も多いため、上司の喪失は致命的になりかねません。組織全体で若手をサポートする仕組みを常態化しておき、上司以外の帰属理由を作っておく必要があります。

マイナビ調査で3割が従来の採用に限界感じる
企業人材ニーズ調査2025年版で約3割が従来型採用に限界を実感。新卒・中途で約4割が採用未充足。AI業務代替による人員削減、既に影響が出ている企業は12.3%で大企業ほど顕著。医療福祉等で採用難深刻化。
採用手法の転換期。ナビサイト一辺倒の採用は限界を迎えています。ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、ソーシャルリクルーティングなど、多様なチャネルを組み合わせる「マルチチャネル戦略」へシフトすべきです。また、AIを使いこなし、創造的な仕事ができる人材――この視点での採用設計が求められています。

3. WEBマーケティングに関連するTOPICS
YouTubeモバイルUI刷新。Shorts投稿が劇的に簡単に
YouTubeモバイルアプリの動画管理機能が刷新。Shorts投稿フロー簡素化で直感的操作を実現。動画とShortsの管理をチャンネルページに一元化。設定項目をShow moreで整理し投稿スピード向上。
YouTubeがShortsを本気で推している証拠。新卒採用では、Z世代の情報接触時間が長いShortsで「会社の雰囲気」「社員の素顔」を短く鮮烈に伝えることが効果的。UI簡素化で投稿は楽になりましたが、検索最適化は別。タイトル、説明文、ハッシュタグの設計は従来通り重要です。

X Starterpacksで企業アカウントの発見性が劇的向上
X新機能Starterpacksはニッチ分野の主要アカウントを簡単発見可能に。ニッチターゲティング強化で高関心層に直接アプローチ。
Starterpacksは「業界の入口」を作る機能。例えば「HR Tech企業アカウント集」「IT業界の採用担当者リスト」などを作成・共有することで、ニッチなターゲットに一気にリーチできます。自社がどのStarterpacksに選ばれるかが重要。そのためには、日頃から専門性の高い情報発信を続け、「この分野ならこのアカウント」と認識される必要があります。

まとめ
新卒採用では、生成AIとナビサイト離れが大きな転換点。学生の情報収集行動が根本から変わる中、企業は採用HPの充実とAI対策が急務です。
中途採用では、報酬の透明性と柔軟な働き方が人材獲得の鍵。正社員信仰を捨て、多様な雇用形態と成長機会を用意することが、優秀な人材の確保につながります。
WEBマーケティングでは、YouTubeとXの新機能を活用した戦略的な情報発信が、企業の認知度向上に直結。
共通するのは、候補者視点に立った情報開示と透明性の重要性。表面的なアピールではなく、リアルな姿を伝えることが、最強の採用マーケティングです。
今回取り上げた最新トピックを参考に、自社の採用戦略をアップデートしていきましょう!
