2026年1月第2週(1月3日~9日)の採用マーケティング関連ニュースをまとめました。
新卒採用の現場で、内々定率の上昇、Z世代のTikTok就活トレンド、就職人気ランキングの変動が注目を集めています。これにより、早期選考の重要性が改めて浮き彫りになりました。
中途採用では、介護職の賃上げ期待や転職率の過去最高更新が目立ち、ミドル世代のキャリア不安、引き止め要因が表面化。こうした中、人材定着のための環境整備が急務です。
WEBマーケティング関連では、年明けということもあり、YouTube検索フィルターの更新とトピックが限られています。
全体として、デジタルツールの進化と働き方の柔軟化が採用トレンドを加速。企業は候補者の心理や市場変化に敏感なアプローチを、強化していく必要があります。
1.新卒採用関連のTOPICS
2027年卒の内々定率4割迫る!理系は5割近くに急上昇
2027年卒の内々定率は12月末時点で37.4%に達し、前月比8.1ポイント増、前年比微増。理系は46.3%と高く、文系は33.1%。就職活動率は83.9%で前年比5.4ポイント減少し、特に理系は78.4%と低下傾向に。早期選考の前倒しが影響し、内々定出しは前年並みのペースで進行。

新卒採用の早期化が一段と進んでいる模様。企業はインターンシップからのスムーズな選考移行を強化し、理系学生の活動率低下を防ぐためのオンラインイベントを増やすことが一段と強く求められます。また、文系と理系の差を考慮したターゲティングや、狙うターゲットに対する専門性のアピールも必要となるでしょう。

Z世代の就活はTikTok検索から!変化する情報収集の常識
Z世代の就職活動はTikTok検索から始まる新常識に。従来の企業HP中心から移行し、情報過多で本質的な選定を先送りする傾向あり。採用広報は検証される設計へ移行し、保存・共有をKPIに設定。ホワイト指標の証拠提示と選考CX設計が重要性膨らむ。

女子大生3名によるディスカッションの内容なので少し盛りすぎですが、情報収集や採用広報の手段として、TikTokの活用が重要になっていることは間違いありません。推奨する優先順位は低いですが、最低限の情報の置き場として活用しておいても良いと思います。

伊藤忠が初の1位!総合商社の人気が爆発的に上昇
2027年卒の就職人気ランキングで伊藤忠商事が総合1位を獲得。総合商社の支持率は前年比5%上昇の38.9%に。TOP30には18業界のNo.1企業が集まり、学生は業界代表企業を重視する傾向が顕著。30歳時の希望年収は平均933万円と過去最高を記録している。

このランキングを見て学生は人気上位企業に集中していると錯覚しそうですが、自社の競合がどこであるかを把握することが重要です。そのうえで競合優位性を出すための戦略と施策を考え、実行に移すのがオススメです。

新入社員研修「意味ない」3割、早期離職リスクに警鐘
新入社員研修を「意味ない」と感じる割合は29%。一方、「意味があった」は71%で業務意欲向上が62.7%。実務活用の有無が評価の分かれ目となり、社内交流不足や時代遅れの内容が満足度低下の主な要因となっています。

大量採用を行う会社にとっては、新入社員すべてを囲い込むことは現実的に難しいので、「意味があった」と感じる人材をより多く獲得すること、または「意味があった」と感じる社員の割合を増やす研修内容にすることにフォーカスすることが重要。一方で採用数の少ない会社は、適正人材の獲得を大前提の目標として、新入社員一人ひとりに合わせたプログラムやフォロー体制を整えて離職を阻止することが絶対的な使命になります。

リファラル採用の決め手は「やってみたい仕事内容」が5割
リファラル採用の応募条件は「やってみたい仕事内容、職種なら」が49.2%で最多。希望の働き方や紹介者の信頼度も考慮される。パート・アルバイトは柔軟な時間と生活両立を、正社員は安定性とキャリア向上を求める傾向。

リファラル採用を活性化させる方法として、社員向けに紹介キャンペーンの周知と行動促進を行うことが注目されますが、オススメは社内環境や待遇の向上です。社員満足度が向上すれば、おのずと紹介してくれる社員が増えます。加えて採用広報を強化することで、紹介された人の入社意向も上昇し、採用率も高くなります。特に新卒層ではキャリアパスを明確に示すことで応募意欲を刺激でき、質の高い人材の自然流入が期待されます。

「二十歳のつどい」参加予定8割、リーダー志向は低め
マイナビの調査では、2026年の「二十歳のつどい」参加予定の大学生は77.6%。多くの学生が抱く理想のリーダーは関係重視型で、55.5%が自身をリーダーに向いていないと認識。経験の有無で理想のリーダータイプに差が見られる。

企業も学生もリーダー志向のある学生や求職者を求めがちですが、実際の組織にはリーダーとそうでない人がバランスよく存在して成り立っています。自社がどのような性質を持つ人材を求めているか、設定したペルソナを会社全体で把握して採用を行うことが必要です。

2.中途採用関連のTOPICS
介護職員の6割が賃上げに期待、月5万円以上を希望
介護職員の賃上げ期待は61%で、希望額は月5万円以上が最多。一方、現場還元への不安が25.3%あり、人員増による負担軽減を求める声が70.9%に達している。賃上げで就業継続意向は71.3%向上する一方、未達時は転職検討が4割に。

介護業界の人材不足の解消には、賃上げ情報の明示がポイントの1つになるようです。他の業界と比べて介護業界は賃金の低さが問題視される傾向があるため、スタッフも敏感に反応するのかもしれません。ただやみくもに賃上げを行うのではなく、賃金の額や賃上げの設定に根拠をつけて、スタッフが納得できる状態を作ることが重要です。

若手正社員8割が雑談含む良好な関係を希望
若手正社員の8割が雑談を含む良好な人間関係を望んでいる。魅力的な親睦イベントとして夜の飲み会が48.2%。感じるメリットは他部署交流が70.3%。孤立感によるネガティブ体験の報告もあり。

昨今、ハラスメント対策やコンプライアンスへの意識が高まり、若手社員との関わり方に頭を抱える方も多いのではないでしょうか。今回の調査はあくまで「傾向がある」ものととらえ、一人ひとりの特性に合わせてフォローするのがベストな対策です。

派遣会社の複数登録は74%、対応の良さが決め手に
複数の派遣会社に登録しているのは74%。選ぶポイントは求人数49%、フォローの手厚さ45%。登録の決め手は連絡対応の良さと仕事情報が同率で上位に。

派遣会社が間にいることでどうしても初速が遅くなるため、登録している会社はより迅速な対応を心掛ける必要があります。

若手の7割が裁量を実感も、情報共有に課題
若手社員の68.6%が裁量を実感。裁量あり層の86.7%がさらなる裁量を望む。課題は情報共有不足が21.8%。

特にキャリア採用の場合は裁量権を早期に付与することが、帰属意識向上や離職防止に有効になるかもしれません。一方でキャリア採用になると、どうしても放任しがちですが、いくら業務スキルがあっても会社に慣れるまでは数年スパンの時間が必要です。情報共有の仕組みを含めたフォロー体制を置くようにしましょう。

中堅社員の半数超がキャリア志向未定、女性は4割
中堅社員のキャリア志向未定・なしが54.4%に達し、女性では4割がキャリア志向なし。非定型業務経験が少ない層で顕著で、不安を抱える人は4割。業務経験提供とキャリア機会設定が必要とされている。

得手不得手があるため、その人に合わせたキャリア支援が必要ですが、多様な業務経験を提供することで、新しい気付きや目覚めがあるかもしれません。また、明確なキャリアパスの提示やフォローは離職防止の効果も期待できます。

40代の転職率が過去最高!転職ブーム到来
2025年の正社員転職率は7.6%で過去最高を記録。30~50代で増加し、特に40代男女ともに上昇。一方、20代は減少傾向に。

転職率の高まりとともに、転職意向を持つ転職潜在層の割合も年々上昇していると考えて良いでしょう。求人はキャリアチェンジを狙うミドルエイジもターゲットに入れ、同時に自社内で理想のキャリアパスが描けるように離職防止策を講じる必要があります。

関西シニア求人、全府県で介護職がトップ
関西6府県のシニア求人は全府県で介護職がトップ。トップ3は介護、調理、清掃。奈良では60歳以上歓迎が93.8%と高く、定年なしが53.5%。雇用形態は地域差が大きく、奈良はパート71%、和歌山は正社員・契約社員43.5%。

慢性的な人手不足と言われる職種なので、ほとんどの企業がシニア層にまでターゲットの幅を広げているようです。ただ個人的に推奨するのは、ターゲットの年齢を引き上げるよりも、自社の環境や待遇を改善し、ターゲットを明確にした的確な情報発信を行うことです。やみくもに採用を進めてしまうと、社内環境を悪化させ、優秀な人材が輩出してしまう悪循環につながるリスクがあります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000031414.html
ミドル転職の壁、家族反対が4割超で最大のハードルに
ミドル世代の転職調査では、在籍企業からの引き止めに応じるのは5人に1人、家族の反対に応じるのは4割超。引き止め方法は上位役職者による感情的な説得が最多。家族の反対理由は転職への悪印象や年収低下、社格へのこだわりが上位に。

自分も体験したのでわかりますが、転職で一番苦労するのが家族の同意を得ることなんですよね。企業側はこれを逆手にとって、転職後の待遇やキャリアプランを明確に提示して家族の同意を得られやすいようにしてあげると、求職者の意向向上につながるかもしれません。

年代別「働きたい瞬間」が判明!20代は人間関係、30代は裁量
働く意欲のきっかけについての調査。20代は人間関係、30代は裁量権、50代は成果・意義がトップ。働きたくなくなる最大要因は「人間関係のストレス」で、職場環境の支援体感で生産性自己評価が約10倍違うことも判明。

それぞれ傾向が強い中途採用時のターゲット世代に応じた訴求軸の明確化が重要です。30代以降は「裁量」と「意義」を採用ページで強く打ち出すと効果的。20代中途には同期やメンター制度を、50代には社会貢献性を可視化して訴求しましょう。

休暇の回復効果は最大43日持続!メタ分析で判明
ジョージア大学などのメタ分析(32研究)で、休暇後の回復効果は復職後平均21日持続し、計算上最大43日まで続く可能性が示されました。従来「一時的」と見られていた休暇の価値を大きく見直す結果となっています。

中途採用では「休暇取得率が高い」「有給消化率90%以上」といった実績を積極的に公開すべきです。ウェルビーイングを重視する候補者に対し、長期的な回復と生産性向上をデータで裏付けて訴求することで、ワークライフバランス重視層の応募を増やせます。

休暇で体調を崩す「レジャー病」の謎に迫る研究
長期休暇や週末に体調を崩す「レジャー病」は、ストレス軽減やライフスタイル変化が原因とされています。頭痛や感染症が多く、最初の1週間で発症しやすい傾向があります。研究ではストレス低減が片頭痛の引き金となる場合もあることが示されていますが、質の高い研究はまだ不足しています。

ワークライフバランスを考慮した採用メッセージの作成が重要です。新卒向けにストレス管理プログラムを紹介すれば、健康志向の学生にアピールできます。WEBで関連記事を共有し、企業のケア体制を強調することで差別化を図れます。

日本の労働時間30年連続減少も、生産性は主要国最低レベル
日本の年平均総実労働時間は1990年の2064時間から一貫して減少し続けています。一方で労働生産性はOECD主要国中最下位レベル。人手不足が常態化する中、短時間で高い付加価値を生み出す働き方改革が急務となっています。

採用マーケティングでは「残業月平均10時間」「生産性向上施策」などの実績を積極的に可視化し、効率的に成果を出せる職場であることをアピールすべきです。週休3日制や生成AI活用事例も今後大きな差別化要因となります。
3.WEBマーケティングに関連するTOPICS
YouTubeの検索フィルター刷新で集客チャンス拡大
YouTubeの検索フィルターが更新され、Shortsフィルター追加や名称変更が発生。これによりShorts活用による集客チャンスが増加し、質の高いコンテンツ制作が重要視されるように。

Shortsをより盛り上げたいYoutubeの狙いが見えます。検索の指標が変わったことで、検索結果からリーチされる動画の性質も変わってきます。逆にShortsを検索結果から除外することも可能になるので、自社のコンテンツの長尺とShortsそれぞれの検索流入に影響するかもしれません。また、視聴率はこれまでも重要な分析指標として扱われていましたが、今後ますます重視されるでしょう。

ベトナムが2026年2月からスキップ不可広告を全面禁止
ベトナム政府が2026年2月15日施行の新法で、動画広告・アニメーション広告について表示から最大5秒以内にスキップ・閉じる機能を義務化。YouTubeやInstagramのスキップ不可広告は全面禁止に。

視聴ユーザーにとっては朗報ですが、クリエイター側には悲報ですね。国内外問わず、広告が毛嫌いされるのは共通。しかし最初は興味がなかった広告でも、一定の割合の人は見続けると興味を持つようになるという調査結果もあるので、広告効果は激減しそうです。日本は大手広告代理店とのつながりがあるので同じ政策は取られないだろうというのが個人的な見解です。

まとめ
新卒採用は、早期デジタル対応と中途の定着支援が鍵に。中途採用は、年代別のモチベーション要因を理解し、裁量権や意義の提供、家族を含めた安心感の醸成が必要になるのではないかと思わせるトピックが多いですね。
共通するのは、ターゲットを明確にしたうえで個々に合わせたアプローチを戦略的に実行することです。
今回取り上げた最新のトピックを参考にしながら、自社の採用成功パターンを見つけていきましょう!
