【2026年2月第2週】採用マーケティング関連 最新情報まとめ
2026年2月第2週(2月7日~13日)の採用マーケティング関連ニュースをまとめました。
新卒採用では、27卒学生の4人に1人が既に内定を保有し、採用活動の早期化がさらに加速。AI活用が2年で40ポイント急増する中、企業の対策は追いついておらず、対応の遅れが浮き彫りに。
中途採用では、賃上げ5%でも9割が転職活動を継続という衝撃的なデータが明らかに。また、20代の8割が企業SNSで応募意欲を高めるなど、情報発信の重要性も増していることも明らかになっています。
全体として、AI時代の採用戦略の再構築と候補者の本質的なニーズへの対応が急務。表面的な施策ではなく、根本的な環境整備と誠実な情報発信が求められる局面を迎えています。
1.新卒採用関連のTOPICS
27卒の4人に1人が既に内定保有、企業対応は二極化
2月時点で約25%の学生が内定を保有。企業の4割が内定出しを前倒しする一方、半数は例年通りを維持し対応が二極化。
早期化に対応する企業と従来スケジュールを維持する企業に二極化が進んでいます。重要なのは、自社の採用戦略に合わせた判断。早期化に追随するだけでなく、ターゲット学生の動きを見極めた上でのスケジュール設計が求められます。業界や企業規模によって最適なタイミングは異なるため、画一的な対応は避けるべきでしょう。

27卒学生のAI活用が2年で40ポイント急増、企業は無策
就活での生成AI活用が75.8%に達し2年で30ポイント増加。企業の9割超は学生のAI活用見極め対策を実施せず課題が浮上。
学生のAI活用が急速に進む中、企業側の対応が完全に後手に回っている状況。ただし、AI活用を見極めることにリソースを割くよりも、面接や選考プロセス全体で本質的な能力や人間性を評価することが重要です。エントリーシート重視からの脱却、構造化面接の導入など、AI時代に対応した選考設計の見直しが求められます。

採用広報は4~6月へ前倒し、量より質の課題が顕在化
301社調査で採用広報開始が4月に50%集中。母集団形成で量は確保できるも、3分の1の企業が質の低下を実感。
母集団の「量」は確保できても「質」が低下しているという本質的な問題。早期化競争に巻き込まれてターゲットが不明確なまま広報活動を展開している企業が多いのではないでしょうか。ペルソナ設定、訴求内容の精査、接点設計の見直しなど、戦略的なアプローチを行い、質の高い母集団形成を目指したいところです。

上位校学生、文系は官公庁・理系は大手メーカーへ集中
旧帝大・早慶ら800名調査で文系は官公庁が急浮上し4位に。理系は機械・電機と化学・素材メーカーが同率1位で人気集中。
文系の「安定基盤×成長機会」理系の「専門性×実社会での活用」という軸が浮き彫りになっています。自社が人気業界でなくても、これらのニーズを別の形で満たせることを示せば勝機はありそうです。例えば中堅企業なら「大手以上の裁量」「技術を形にするスピード感」など、具体的な優位性の訴求が有効でしょう。

27卒学生、週1以上の連絡で志望度が大幅に向上
4割以上が週1回以上の連絡で志望度向上し、6割がキャリアを伴走する採用担当者の姿勢に好感。メンター的な役割を求める傾向に。
採用担当者に「メンター的な役割」を求める学生が増えている点は注目すべき。新卒採用担当はどんどん負荷が大きくなっていますね。単なる連絡頻度ではなく、学生一人ひとりのキャリアに真摯に向き合う姿勢が重要です。ただし週1連絡は相当な工数なので、学生を優先度でランク分けして対応を分けるなど、効率的なコミュニケーション設計が必要。質の高い関係構築にリソースを集中させるべきでしょう。

26卒内定者が求める成長機会、文理で明確な違い
文系は上司や先輩からの事前レクチャーを重視し、理系は新しい仕事や難しい仕事の機会を求める。
文理で成長機会の捉え方が異なるという興味深いデータ。これは内定者フォローや入社後の育成設計にも直結します。文系には丁寧なオンボーディングとメンタリング、理系にはチャレンジングな課題付与と自律性の尊重。個人を見ることを前提としながら、画一的な研修プログラムではなく、属性に応じた設計が定着率向上の鍵になりそうです。

内定者の9割、人事の丁寧な対応で入社意欲が向上
内定期間中に求めるサポート1位は先輩との関係構築。人事による不安・疑問への丁寧な対応で9割以上が入社意欲高まると回答した。
内定者フォローの重要性を改めて示すデータ。特に「不安・疑問への丁寧な対応」が入社意欲に直結するという点は、採用担当者の対応品質が問われます。内定辞退防止には、単なる懇親イベントよりも、一人ひとりの不安に寄り添う個別対応の方が効果的。リソースは限られますが、優先順位をつけた対応が求められます。

2.中途採用関連のTOPICS
賃上げ5%でも9割が転職継続、真の離職要因はキャリア不安
5%以上の賃上げ実施でも転職活動を継続すると9割超が回答。離職要因の1位はキャリア成長不足とスキルの停滞への懸念。
賃上げだけでは離職を止められないという事実。転職理由として挙がるのは給与だけではないので、当然と言えば当然です。多くの求職者が求めているのは、成長機会と将来への展望。求人票で年収だけを強調しても、入社後のキャリアパスが不明確では意味がありません。具体的な成長ストーリーや、スキルアップ支援制度の方が訴求力は高いでしょう。

20代後半~30代、転職で年収100万円アップを目指す
転職希望者の希望年収は500万円以下と501万円以上がほぼ半々。現在の年収から概ね100万円アップを目指す傾向が明らかに。
年収100万円アップというベンチマークは採用側も意識すべき。ただし闇雲な給与提示は危険です。自社の給与体系との整合性を保ちながら、どこまで提示できるか冷静な判断が必要。また、年収だけでなく福利厚生や働き方など、トータルでの魅力づくりで差別化を図る戦略も有効でしょう。

保育士不足解消のカギは給与改善、潜在保育士63%が訴え
潜在保育士の63.4%が給与・待遇改善を最重視し現役保育士を大きく上回る。復職条件は短時間勤務や柔軟な働き方を求める声が多数。
保育業界に限らず、離職者が最も重視するのは給与改善という明確なメッセージ。ただし注目すべきは「短時間勤務」「柔軟な働き方」という条件。つまり、高給与でフルタイムよりも、適正給与で柔軟に働ける環境を求めているということです。これをもとに条件の見直しを行い戦略立てするようにしましょう。

20代の8割、企業SNSで応募意欲が大幅に増加
転職活動を行う20代の81.6%が企業のSNSアカウントを見て応募意欲が増したと回答。会社選びで最重視するのは人や社風。
企業SNSが採用ツールとして機能している明確な証拠。重要なのは「人や社風」が伝わる発信。求人情報の転載ではなく、社員の日常、チームの雰囲気、価値観が垣間見える投稿が効果的です。ただし、作り込みすぎた「キラキラSNS」は逆効果。かつて炎上したダンス系も論外。リアルで等身大の情報発信が信頼獲得につながります。

ITエンジニアが求める福利厚生、圧倒的1位はリモート
ITエンジニアの7割以上が福利厚生充実でパフォーマンス向上を実感。あれば嬉しい福利厚生1位はリモートワーク・在宅勤務制度。
エンジニア採用においてリモートワークは給与と並ぶ最重要条件になっていると認識すべき。フルリモート不可の企業は、せめてハイブリッド勤務や週2-3リモートなど、柔軟性を示さないと候補者プールが激減します。出社回帰の風潮もありますが、ニーズを踏まえた制度設計が必要です。

賃上げだけでは不十分、8割が福利厚生の充実を重視
賃上げに加え福利厚生の充実も重要と約8割が回答。賃上げだけでは生活改善を実感できず、第3の賃上げへの期待高まる。
「第3の賃上げ」という概念はポジティブなアピールとして使えそう。ほとんどの働き手にとっては福利厚生が充実するよりも給与が上がった方が良い印象なので、働き手が納得する給与と福利厚生の落としどころの決め方に要注意です。

花粉症が転職活動に影響、正社員の4割が実感
転職を考える正社員の54.6%が花粉症を抱え約4割が転職活動に影響ありと回答。面接時の集中力低下など業務支障も67.2%が実感。
自分も花粉症で発症期間も長いので共感しかありません。転職活動だけでなく、業務に支障が出ている人は多いはず。空気清浄機完備、リモート面接の積極活用、花粉シーズンの柔軟な勤務など、細やかな配慮を制度化して発信すれば差別化になります。「社員の健康を本気で考える会社」というメッセージは、ブランディングにもつながるでしょう。

パパ育休満足度74%も、期間の短さに課題が残る
パパ育休を取得した家庭のママの74%が満足と回答。心強さを感じる一方で、期間の短さや意識のズレに不満の声も寄せられた。
男性育休の実績は採用広報で積極的に打ち出すべき。ただし、「取得率」だけでなく「平均取得日数」も明示することが重要です。厚生労働省の「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(https://www.mhlw.go.jp/content/001128241.pdf)」によると、男性の育休取得率は46.2%で育休取得日数の平均は46.5日。育休取得するほとんどの女性が6カ月以上休業するのに対し、とても少ないです。これを踏まえ、自社の男性育休取得日数が一般的な平均より上であることを示し、育休後の復帰率やキャリアへの影響がないことも併せて伝えられると差別化につなげられます。

従業員退職で倒産が過去最多124件、淘汰が加速
従業員の退職を要因とする倒産が2025年に124件発生し過去最多を更新。建設業やサービス業で目立ち、待遇改善できぬ企業の淘汰進む。
人材確保できない企業は淘汰される時代が到来。採用力=企業の存続力という認識を持つべきです。特に中小企業は、大手に勝る「何か」を明確に持たないと生き残れません。待遇、働き方、成長機会、企業文化など、どこか一つでも尖った強みを作り、徹底的に発信することが急務です。

転職者の2人に1人がAI活用も信頼性には不安
転職活動で約半数がAIを活用し効率化を実感。一方で情報の正確性への不安や採用担当者にバレる懸念など課題も浮き彫りに。
求職者側のAI活用も急増している現実。企業側もAI生成された職務経歴書を前提とした選考設計が必要になります。書類選考の重要度を下げ、面接やスキルチェックに重点を置く、あるいはポートフォリオや実績ベースの評価に移行するなど、本質的な能力を見極める仕組みづくりが求められます。

AI導入で仕事量増加、効率化の裏で労働強化が進行
米ハーバード調査で200人企業のAI活用を8カ月追跡。業務効率化の一方でタスク拡大やマルチタスク増加し、労働強化が判明した。
「AIで効率化」が「AIで業務量増加」に転じるという皮肉な現実。個人的にもこれはひしひしと実感する今日この頃です。独力でできることが増えた分、周囲に頼らないので自分の作業時間が増えるんですよね。AIを導入する際には、マルチタスクなどで社員の負荷が重くなっていないか、注意して管理することが求められるようになるでしょう。

Z世代のAI活用、社会人は信頼も学生は慎重姿勢
社会人の25%がAI回答を信頼する一方、大学生は5.6%と低水準。AIを人に例えると社会人はカウンセラー、学生は友達と回答。
ビジネス用途では自分の能力をフォローしてくれるものとして活用する場面が多いため、自然と信頼してしまうのかもしれません。割合としては4人に1人なのでそこまで高くはありませんが、執着しすぎてしまわないよう注意する必要はありそうです。

まとめ
新卒採用は、早期化と学生のAI活用が加速する中、企業側の対応の遅れと質の低下が顕在化しています。量の確保から質の向上へ、そしてAI時代に対応した選考プロセスの再設計が急務です。
中途採用では、賃上げだけでは離職を止められないという現実が明らかに。求職者が真に求めるのはキャリア成長と柔軟な働き方。給与だけでなく、成長機会、ワークライフバランス、企業文化など、トータルでの魅力づくりが不可欠です。また、採用広報でも表面的なトレンド追従ではなく、実態に基づいた誠実な情報発信が求められます。
共通するのは、候補者の本質的なニーズを理解し、自社の実態に即した誠実なアプローチを取ることの重要性。小手先のテクニックではなく、根本的な環境整備と戦略的な情報発信で、自社ならではの採用成功パターンを見つけていきましょう。
いぬのて田村
採用課題をWEBマーケティングで解決するいぬのて代表。
動物全般が好き。
常に挑戦することを楽しんでいます🐶